昨年までロシアの仮想通貨に対する見解はあまりポジティブなものではなかった。
過去には監獄への収監も含めた厳しい措置で「代替貨幣」を取り締まろうとする案も出ていたことがあるのだが、最近は暗号通貨を受け入れていく姿勢のようだ。
ロシア政府は様々な面でブロックチェーン技術の応用について研究しており、今年の夏の初めには、プーチン大統領とイーサリアムの開発者であるビタリク氏が会合を行っている。
ロシアの副首相が、国が支援する仮想通貨への支持を表明
第一副首相のIgor Shuvalov氏は、ロシアの放送局RBCによるインタビューの中で、セキュリティの面で何らかの対策が導入されるという条件の下、彼が「crypto-ruble(仮想通貨版ルーブル)」を支持すると述べた。
インタビューでの発言を翻訳した資料によると、彼は、「国が支援する仮想通貨は発展していくだろう。しかし、国家経済が攻撃にさらされるような方法ではなく、むしろ経済がより強力になるような方法で発展しなければならない。」と語った。
ブロックチェーンを利用した国の通貨について見解を述べたロシアの公務員は、Shuvalov氏が初めてというわけではない。実際、ロシア中央銀行副総裁のSkorobogatova氏は2月に、国が支援する仮想通貨の実現は「時間の問題に過ぎない。」と述べている。
しかし、Shuvalov氏によると、この取り組みはまだ初期段階にあるとのことだ。
彼は、「議論のテーマにはなっているが、具体的なプロジェクトはまだ無い。プロジェクトを推進するには、適切な法律と規制を準備する必要がある。」と述べた。
またRBCのインタビューの間、Shuvalov氏は、政府が仮想通貨採掘リソースへの投資を検討していることを認めたようだ。
この情報は、プーチン大統領のアドバイザーの1人 がビットコイン採掘設備の建設を計画しているという話題に続いて明らかにされた。
プーチン大統領のアドバイザー、マイニングを計画?
プーチン大統領のオンブズマンであるDmitry Marinichev 氏がファウンダーの一人となっている企業、Russian Miner Coin (RMC)がICOを計画していると報道されている。
ブルームバーグの取材に対して彼は「将来、ロシアは世界の仮想通貨マイニングの30%を占めるポテンシャルがある」と述べている。
RMCの資料によるとプロジェクトではマイニングを行うのと同時にチップを開発し、収益の一部が投資家に配当される形式のコインを発行してICOを行うようだ。