0xとHarborが提携、期待されること
DEX(分散型取引所を構築するプロトコル)の『0x』と、証券トークンプロジェクトである『Harbor』が提携をしました。Harborが規格した証券トークンを0xのリレイヤーがトレードできるようにするとのことです。
同アナウンスの発表によるとOceanとParadexが、サポートするために動いているそうです。証券をトークン化、コントラクトによってコストの効率化とグローバルな流動性が期待されています。
0xとHarborがどちらもサンフランシスコ拠点のプロジェクトで、これまでもHarborの規格が0xでトレードを可能にするという話はあり、今回で正式に発表といった形になります。
0xのメジャーアップデートにより実現すること
また、0xは先日、メジャーアップデートであるv2をメインネットにリリースしました。
After many months of development and audits, 0x v2 is live (in beta) on the Ethereum blockchain! Now the bug bounty begins, with up to $100k for critical bugs! 🐞https://t.co/P8IOKp9Qo5
— 0x (@0xProject) 2018年9月5日
これによってできることは下記です。
- ERC721サポート(ゲームアイテムとかのDEXが構築可能になる)
- WETHの変換を自動でバックエンドで可能に(手数料変換のUXがかなり改善される。)
- FilterコントラクトでKYC可に (KYCありのDEX作れる)
などが可能になります。
DEX(分散型取引所)で、KYC(顧客確認)が可能になることで、規制のもとで証券トークンを扱える、ブロックチェーンに紐づく金融システムの実現に1歩ずつ歩んでいるといったところでしょう。詳しくは、過去にコインチョイスに寄稿をしたこちらの記事にも書きました。
関連:分散型取引所プロトコル“0x”の次期メジャーアップデートがDEXエコシステムで可能にすること
分散型金融アライアンス発足など、業界での動き
こういった証券トークンや債券トークン、およびそれがDEXと結びつく動きと合わせて、8月には分散型金融のアライアンスも発足しています。
参照:Medium
これには、0xのほか、Dharma、Set、Abacus、WalletConnectといったプロジェクトも参加しています。規制が厳格な金融業界では、こういったアライアンスによるロビイング活動もそろそろ必要になる頃合いとも言えます。
0xについては、すでにサードパーティーのプロジェクトの数も非常に多くなっており、Ethereumの上に乗るプロトコルとして規模も大きくなりつつなるので、重要性も上がっています。
筆者ブログでは、0xについて解説記事も公開していますので、是非お役立ててください。
0x仕組み、トークン設計の議論、エコシステム全体像について広く網羅しています。
参照:DEXプロトコルの0xとは。分散型金融を担うプロトコルの仕組み・ZRXのモデル・エコシステム全般・課題
運営する研究所サロンでは、このような動向解説から更に深い業界のビジネス分析、技術解説、その他多くの議論やレポート配信を行なっています。ご興味ある方はぜひご利用ください。
▼d10n lab 未来を思考するための離合集散的コミュニティ
https://d10nlab.com/
関連
・現在のDEX(分散型取引所)にとっての課題を4つに整理、将来より使われるためには
・分散型取引所(DEX)とは?国内の仮想通貨取引所との違いを解説