米国医師会が医療データのブロックチェーン開発会社Akiriに1000万ドルの資金供与

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ブロックチェーン開発会社Akiriに1000万ドルの資金供与

サンフランシスコの新興企業Akiriが、シリーズA資金調達で米国医師会(AMA)が創設したベンチャーHealth2047から1000万ドルを調達した。資金は、ブロックチェーン技術を使って、健康情報を管理する初のデータ転送ネットワークサービス構築に使われる。

目指すプラットフォーム「Akiri Switch」は、クラウド上で契約ベースのネットワークを構築するNaaS(network-as-a-service)である。これは米国の病院、薬局、製薬会社を含むヘルスケアシステム全体に向けて、患者のカルテなど個人的なヘルスケア・データを安全・確実に転送・共有できるシステムである。

ブロックチェーンは患者と医師の関係を大幅に改善する

AMAが投資、創設したダグラス・ギブン医師率いるHealth2047は、全米の医師のアイディアをいち早く集約し、製品開発のごく早期にアイディアをインプットすることを目指す。Health2047は初の組織的商業化を目指して、90日以内という早さでアイディアを評価して、迅速にプロトタイプ化する道を開くプロフェッショナル組織である。

AkiriはHealth2047の初のスピン企業となり、社名はHealth2047 SwitchCoである。新社はアップル、シスコ、GE Healthcare、スタンフォードなどから多くの人材を集める。

Akiriのエイドリアン・ライテンバーグ最高経営責任者(CEO)は「Akiri Switchは、ヘルスケア・データソースとデータ転送先を検証し、患者、医師、医療提供者、製薬会社などを対象にして、開発、評価される信頼できるアプリケーションを構築する」と語った。

プライバシー保護のためにも極めて秘匿性の高い電子カルテや処方箋などはこれまで、労働集約的な第三者機関の管理と検証が必須だった。ブロックチェーンは、これら検証・管理機能を本来備えており、人的あるいは金銭上のコストは大幅な削減が期待される。

ブロックチェーン技術で医療データの流動性を向上

この医療データネットワークは、許可されていないユーザーが不法にアクセスすることを防ぐため、ブロックチェーン本体を他人のプライバシーとルーティングツールと結びつけることによって、データトランザクションのソースと行き先の双方を評価できるよう設計されている。

AMAのジェームズ・マダラ会長は「医師やヘルスケア関係者が直面している医療データの流動性の問題は、患者と医師の関係を向上するに当たって、是非とも解決されなければならない最大の障害の1つである」と語っている。同会長は、そのためにも既存のシステムを変えることができるテクノロジー(ブロックチェーン技術)を採用すべきだと強調した。

Akiri Switchはコスト削減、効率を高める分散型ネットワーク

開発するAkiri Switchは、患者の健康情報を管理する登録ベースのデータネットワークである。それはブロックチェーン技術を使って、ヘルスケアをデジタル化、自動化する業界イニシアチブの一環である。銀行を初め供給チェーンなどの産業はすでに、取引を記録するため使われる非集中化(分散化)された台帳としてブロックチェーンを採用し始めている。

医療機関はデータの流動性を高め、医療データの流れを円滑かつ確実にすることができる。目指すネットワークは、データにアクセスする患者を特定し、ネットワーク上で医師と話し合いを持てるようにする。また製薬会社は薬局と接続して、患者が必要とする医薬品を指定することができる。患者を含めて医療関係者すべてが、安全、確実に医療データを転送、共有できる時代の実現を目指している。

(フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者:長瀬雄壱)

引用:
プレスリリース
CoinDesk
Bizjournals