2018年第1四半期のICO調達資金は63億ドル、早くも2017年の通年比118%

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2018年第1四半期のICO調達資金は63億ドル、早くも2017年の通年比118%

米最大手仮想通貨情報メディアのCoindeskが収集したデータによると、2018年3月までに実施されたICO(Initial Coin Offering)によって、調達された資金は2017年の総額を早くも上回った。

2018年第1四半期(Q1)のICOによる資金調達額は、2017年通年の118%、63億ドルに達した。とは言えこの数字は、何かと議論を呼んでいる資金調達法(ICO)の規制の時期が近いという共通の認識を弱めることにはならないだろう。というのも、ICOが抱えるマイナスの側面、資金洗浄や詐欺など不正行為が一段と問題視されているからだ。

資金調達ラウンドの平均的回数および調達プロジェクト進捗率は最高記録

このデータが意味するものは、想像以上に微妙な成長物語である。例えば資金調達ラウンドの平均的回数および調達プロジェクト進捗率は、いずれもこれまでの実績より高くなっている。2018年Q1は、2017年ICOの発行実績回数の59%も占めていた。

CoinDeskのICO Trackerが追跡したこれまでのICOの最高記録は、暗号化メッセージング・プラットフォームのTelegramが発行したICOトークンであり、3月末までの発売額は17億ドルに上った。Telegramの調達額を除いても、Q1には、2017年に調達された総額の85%にも相当する46億ドルという記録的数字を実現した。

Telegramは、ICOを通じて得た資金を使って、独自のブロックチェーン「テレグラム・オープン・ネットワーク(TON、Telegram Open Netwaork)」を開発する。これは第3世代のブロックチェーン技術と言われている。Telegramはさらに、TON上の仮想通貨(トークン)である「GRAM(グラム)」を発行する予定である。

トークン発行の多くは、資金調達目標額1億ドル以下であり、多くのプロジェクトが規制上のリスクがあるにもかかわらず、トークン発行になお意欲的であることを物語っている。

関連:調達資金は850億円以上?!史上最大規模のICOを行うテレグラムのTONとは?

米国では取り締まり強化できる証券扱いの方向強まる

米証券取引委員会(SEC)のジェイ・クレイトン委員長は2月6日、上院公聴会で「私が知る限り、ICOはすべて証券に該当する」との持論を展開し、将来的に証券と同じように規制する考え方を強調した。同氏は同時に、SECに登録済みのICOはこれまでのところ、一切存在しないことを明らかにしている。

SECは4月初め、元人気ボクサーでWBAスーパーフェアー級チャンピオンだったフロイド・メイウェザーを宣伝に使ったICO「Centra」の発行者2人を詐欺容疑で告発した。容疑は、あえて「未登録証券」を販売して3200万ドルを調達したという踏み込んだもの。

ICOの発行元と買い手、双方の意欲は高い

日本では、4月23日正式に発足した仮想通貨自主規制団体「社団法人日本仮想通貨交換業協会(JCBA)」が、手放し状態のICOトークンの発行について、自主的なガイドラインを策定して信頼回復を目指す。協会は金融庁に登録された仮想通貨交換業16社から成り、仮想通貨の取り扱いに関する各種ルールを整備し、金融庁から自主規制団体の認定を受けることを目指している。

会長に就任した奥山泰全マネーパートナーズ社長は「急ぎ自主規制(策定)を進め、市場の健全な発展と利用者の不安払しょく、信頼回復に努めたい」と述べた。

※コインチョイス編集部スタッフも、仮想通貨16社新団体設立発表会当日に取材に行ってきました。Twitterでライブ配信を行いましたので、よろしければご覧ください。

▼ライブ配信

仮想通貨が証券かどうかについては、米国の規制関係当局の見解は割れている。ただしSECの動きは目立ち、近い将来「仮想通貨=証券」という定義でまとまる可能性は十分にある。にもかかわらず、トークンの発行に対する投資家の購買意欲は衰えず、起業家はじめ企業が、リスクを負ってトークンを発行する勢いは、18年Q1の実績通り根強いものがある。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

参考:coindesk

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