少々びっくりするタイトルかと思いますが、この記事ではICOの現状について考察しています。
失敗に終わったICOプロジェクトの目録を精力的に作成しているCoinopsyとDead Coinsによると、2018年に入り、1,000を超えるプロジェクトがこれまでに失敗していると報告されています。
これらのプロジェクトは、活動が完全に休止しているものや結果的に詐欺であったものが含まれます。ICOプロジェクトの大半は、失敗に終わると話には聞いていても、実際にその一覧を見るとなかなかインパクトが大きいですね。
風説の流布による詐欺の氾濫
規制が十分ではない現在のICO市場では、風説の流布による詐欺が依然として起きており、危険な様相を呈しています。市場の多くの不正参加者は、経済的メリットが存在しないビジネスモデルをでっち上げています。
そして、利用価値がほとんど無いトークンを発行して、セールストークで投資家に売りつけます。そして、人為的な需要の創出により価格が望んだレベルまで膨らむと、不正参加者は売り抜け、無価値のトークンを投資家に残します。これは非常に悪質であり、投資家はこのようなプロジェクトに投資することを避けなくてはなりません。
ICOへ投資する時の心構え
ICOへの投資はギャンブルに似ています。投資家がプロジェクトに投入した資金をすべて失う可能性はとても高いです。規制の緩さは、詐欺師が無防備な人々を欺くにはうってつけの戦場です。そのため、投資家がICOにどうしても投資をしたいのであれば、投資資金をすべて失う覚悟を持たなければなりません。
プロジェクトが、ホワイトペーパーでポエムのような大言壮語を吐き出すことは容易いことです。そのため、投資家は常に警戒心を持って、それらの過大広告に惑わされないようなリテラシーを身につける必要があります。そのためには、能動的に情報収集していく姿勢がとても大事です。どんな時であっても最悪の状況を想定して、それが許容できないのであれば投資を見送るべきでしょう。
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詐欺ICOを見分ける6つのポイント
詐欺ICOの被害に遭わないために、心構えも重要ですが具体的なTIPSも頭に入れておくと良いでしょう。詐欺ICOを見分ける時に参考になる6つのポイントは次の通りです。
- ブロックチェーンである理由が無い
- オープンソースコードが無い
- マイニングの仕組みが開発チームを贔屓
- チームメンバーが匿名 or 経験が浅い
- 十分な情報が公開されていない
- 明確なロードマップが存在しない
これらをさらにまとめると、
- システム設計の欠陥
- 公開情報の不足
の2点に集約することができます。
システム設計の欠陥を見つけることは難しい場合もあると思います。なぜなら小難しい言葉で投資家を煙に巻くような小細工が行われているものも多いからです。しかし、公開情報が不足しているかどうかを確認することはとても簡単です。忙しくても最低限、このチェックだけは行いましょう。
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五月雨(筆者)の結論と考察
ICO詐欺のほとんどが失敗すると、この記事では取り上げました。この現状を鑑みると、投資者を保護するための一定のルールを策定することが急務でしょう。しかし、ICOのコンセプト自体は、近代的で優れたシステムですので、プロジェクトによってはICOを上手く利用して、成長していくものも当然あるわけです。
そのため、あまりにも規制でがんじがらめにしてしまうことは、イノベーションの芽を摘むことになってしまいます。どのようにICOを規制すべきか?これは超国家間で慎重に議論を進めていく必要があるでしょう。
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・2018年第1四半期のICO調達資金は63億ドル、早くも2017年の通年比118%
参考
・Ethereum World News
・TechCrunch(1)
・TechCrunch(2)