オープンソースブロックチェーンのHyperLedger(ハイパーレッジャ―)解説イベントin HashHub

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オープンソースブロックチェーンのHyperLedger(ハイパーレッジャ―)解説イベントin HashHub

9月14日に、本郷のブロックチェーンスタジオHashHubにて、IBMの吉濱佐知子氏による、Hyperledger(ハイパーレッジャー)の利用事例についてを解説するイベントが行われました。

Hyperledger Fabric概要、ブロックチェーン活用事例

Hyperledgerに関する説明は下記の公式サイトを引用します。

“ ブロックチェーン技術とは、ネットワーク接続された数多くのコンピュータ群で分散処理/データ管理を行うことで、1つの巨大高性能システムと同等の機能を実現するという技術です。”変更不可能な形でデータを保持するデータベース” と表現されます。
Hyperledger Project は、The Linux Foundation のプロジェクトとして、これらの技術検証について、オープンソース精神に基づき、グローバルレベルで共同検証を実施し、デファクトスタンダードとなるブロックチェーン基盤の技術開発/推進を行っています。“

引用:http://www.ossnews.jp/oss_info/Hyperledger_Project

オープンソースブロックチェーンのHyperLedger(ハイパーレッジャ―)解説イベントin HashHub

Hyperledger Fabric は、Hyperledgerプロジェクトの元で開発されているブロックチェーン基盤の一つであり、オープンソースで、誰でも使用できます。

オープンソースブロックチェーンのHyperLedger(ハイパーレッジャ―)解説イベントin HashHub

ブロックチェーンは広義に

・パーミッションレス型ブロックチェーン
・パーミッション型ブロックチェーン

が存在します。

オープンソースブロックチェーンのHyperLedger(ハイパーレッジャ―)解説イベントin HashHub

前者は、ビットコインやEthereumなどを指し、誰でもノードをダウンロードでき、条件を満たせば全てのプレイヤーがバリデート(PoWではマイニング、PoSでステーキング)をできるブロックチェーンです。

後者は、こういった誰でもブロックチェーンの中身を確認できることはビジネスでは使いづらい、または、ビットコインではブロック生成速度が遅いなどということを課題にしてスタートしたものが、パーミッション型(許可制)のブロックチェーンです。

この形式のブロックチェーンでは、特定のエンティティしか、ブロックチェーンのダウンロード、トランザクションの検証ができず、または、特定のエンティティ以外はトランザクションも行えません。

このパーミッションレス型ブロックチェーンと、パーミッション型ブロックチェーンの2つでは、論争がありました。例えば、ビットコインに傾倒するような人は、ブロックチェーンは非中央集権性や分散性が価値であり、そういった用途を捨てているブロックチェーンの利用価値は見出せないというものです。

しかし、当然そういった指摘は当事者は認知しており、イベントはパーミッション型ブロックチェーンの現在地を示す良いものになりました。

許可制ブロックチェーンの使用用途はどのようなもの?

パーミッションレスのブロックチェーンの使用用途は、当日いくつか説明されましたが、そこでは例えば金融分野などがあります。

金融業務では、当然その業務を遂行することを許可されているライセンスを持っているエンティティのみが、扱えるデータなどが多くあります。KYC情報を、金融業務に従事する複数のエンティティで共有をする場合に、コンソーシアムチェーンを使用できる可能性などが示されました。

オープンソースブロックチェーンのHyperLedger(ハイパーレッジャ―)解説イベントin HashHub

複数のエンティティ間で、KYC情報を共有するべきときはあり、その共有のためのコストは高くそういったコストを減らせる可能性などが述べられました。

1社で持つパーミッションブロックチェーンに意味はあるのか?

こういったブロックチェーンは1社で使うものではなく、基本的には複数のエンティティで共有台帳を使うことが前提になります。

こういった点で、「1社のみでシステムのバックエンドで、ブロックチェーンを使うことはあり得るか?」という質問に対して、氏は、1社のみで使うのならば通常、データベースで使えばいいのではないか、と前置きをしつつも、 コンソーシアムチェーンをグループ会社で使う利用の仕方はあるのではないかと回答しました。

例えば、同じ会社で、小売部門、製造部門、監査部門でブロックチェーンを共有するような利用の仕方です。規模が大きい会社では、時に部門ごとや、親会社と子会社間でのデータ共有のくい違いやコミュニケーションコストが重くなることがありますが、そういったコストを下げれる可能性が示されました。

ブロックチェーンの実利用に対してのハードル

ここで解説をした以外でも、イベントでは、Hyperledger Fabricの多くの利用事例が解説をされました。とはいえ、その多くは実証実験に止まっているものがほとんどであり、実際に本導入されているものはほとんど存在しないという事実もあります。

その理由として、実証実験後の実利用の合意がとれない場合が多いことなどが紹介されました。基本的にパーミッション型のブロックチェーンは、複数の会社が協力して作るものです。当然、それぞれの会社には、それぞれの利害関係とステークホルダーが存在し、そのことから実証実験後の実導入に時間がかかるのではないかという見解が示されました。

また、導入によるどの程度コストの効率性などが上がり、どのようなリスクがあるかはよりファクトが示されることが実利用を決める意思決定には必要ですが、これはまあ実際の運用の歴史が浅いので、示せない点も多いだろうと推測されます。

イベントではこの他にも、Hyperledger Fabricに関する技術的なより詳細な話も解説されました。

今回会場になったHashHubはブロックチェーン業界で働く人のためのコワーキングスペースも運営をしています。

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