注目集まるセキュリティトークン、4つの構築方法とは?

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セキュリティトークンを構築する4つの方法

証券をブロックチェーン上でトークン化し、グローバルに取引することができるセキュリティ・トークンが話題となってきている。ブロックチェーン上に作られるさまざまなトークンを証券として考え、証券に関する法や規制に準拠したものをセキュリティトークンとしている。

セキュリティトークンは株や債権などをトークン化することにより、ブロックチェーンのセキュアな構造に裏付けを取りながら、証券取引所などの営業時間を気にすることなくグローバルに取引できるようになる。今回はブロックチェーンソリューションの開発と研究を進めるHe3Labsが考えるセキュリティトークンの構築方法を紹介する。

セキュリティトークンを構築する4つの方法

プライベートトークン、プライベートウォレット

証券取引所など既存の取引モデル。トークンは取引システム上の証券の内部表現。トークンの移動を規制する規則は、事業者によって管理されたクローズドな環境で行われる。プライベートトークンとなり、本質的に単一の取引所システムから外へ出せない。

    メリット

  • 現行の証券取引所のようなモデルであり、規制当局にとって負担が少ない。
  • 公開されたトークンでないということは、規制から逃げ出す危険性がないことを意味する。
    デメリット

  • 内部システムのみで使われ、特定の取引所に閉じられたトークンとなる。
  • 流動性が低い。

パブリックトークン、固有のプライベートウォレット

トークン自体がパブリックブロックチェーンに持ち込まれ、本質的に自由に取引可能。投資家はトークンに直接触れることも、非公開にすることもできない。各取引所は、ユーザーのウォレットを管理するが、ユーザーはトークンを私物のウォレットに移動させることができない。取引所は、トークンの移動を規制する規則を実施する必要がある。

    メリット

  • 暗号通貨トークンを使用することで、柔軟性と流動性が向上し、取引所間でトークンの移動が可能となる。
    デメリット

  • トークンは本質的に自由取引が可能のため、トークンの移動規則はプロセス(ホワイトリストなど)によって強制される。
  • 複雑なコントロールにより、エラーが発生し、それを悪用しようとする動きがでてくる。
  • プライベートウォレットでの保有が許可されていないため、投資家は取引所の安全性を信頼せざるを得ない。

パブリックトークン、管理されたパブリックウォレット

トークン自体は公開され、自由に取引が可能。トークンはホワイトリストに入れられたウォレット間でのみ移動が可能となる。ユーザーがウォレットのアドレスに基づいて実行できるアクションを規定する制御が必要で、スマートコントラクトやマルチシグによって実行される。

    メリット

  • 柔軟で流動性がある。
  • トークンをオープンな暗号通貨取引所に持ち込むことを可能にする。
  • 投資家は、独自のプライベートウォレットを持つことができ、取引所を信用しなくてもいい。
    デメリット

  • ルールの正確な実施を保証し、投資家が管理しているウォレットに継続的なアクセスを確実とするため、単一の機関に信頼を置く。
  • かなり複雑なシステムであり、提供するエンティティに規制上の負荷がかかる可能性がある。
  • 中央当局が不具合により動かなくなった場合に、投資家のトークンを移動できるようにするなど対策が必要。

管理されたパブリックトークン、パブリックウォレット

特殊なパブリックトークン自体の設計。トークンを定義するカスタムスマートコントラクト、またはプロトコルレベルのブロックチェーン機能が必要。KYCまたはウォレットアドレスに関連する情報に基づいて、受け入れ可能なトランザクションの判断を提供する機関が存在する可能性がある。概念的には、分散されたシステムであり、トークンは発行会社、KYCプロバイダなどが提供する規則でチェックする。システム設計が複雑で困難。

    メリット

  • とても流動的。
  • 通常のパブリックな暗号通貨トークンのように動作。
  • 関連するルールに合致しないトランザクションは不可能となる。
  • 投資家は、標準のプライベートウォレットを使用できる。
    デメリット

  • トークン自体が特殊な構造であり、ソリューションのサポートは保証されない。
  • 誰がこのシステムのベースを構築し、規則遵守情報をシステムに提供するのか?
  • またスマートコントラクトの不具合は、システムを不可逆的に破壊するリスクがある。

セキュリティトークンの今後に期待

セキュリティトークンは、現在の証券システムを便利にし、多くの流動性をもたらすことになる。概念的には、ブロックチェーンをベースとすることで、時間と場所に限られる世界の証券に投資家として参加できる。証券の発行主も限定された取引所だけでなく、よりグローバルに投資を受けることができる。

それ故に、証券取引所とウォレットと投資家とブロックチェーンの本質的仕組みが複雑に絡んでくる。証券に関する規則や法を準拠した形で、かつスムーズな流れを作るには、試行錯誤が必要なようだ。これからのセキュリティトークンはどのような未来を作りあげていくのだろうか。

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参考
He3Labs

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