米・カナダ規制当局が一斉に「仮想通貨(ICO)一掃作戦」を開始、70件捜査へ

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米・カナダ規制当局が一斉に「仮想通貨・ICO一掃作戦」を開始、70件捜査へ

米国とカナダの証券規制当局が協力し合い、北米で一斉に仮想通貨の詐欺行為や未登録証券などの取り締まりを続けている。「Operation Crypto-Sweep(クリプトスイープ(“仮想通貨一掃”作戦)」と呼ばれるこの取り締まりは、2018年4月から始まったもので、なお数週間は続くだろうという。

ワシントンポスト紙が2018年5月21日、この事実をスクープして、「これはビットコイン詐欺に関する国家および州レベルの当局者による最大規模の協調的取り締まりである」と伝えている。CNBCは「40以上の州・省レベルの監視機関が作戦に参加し、これまでに少なくとも70件の捜査を行った」と報道している。

70件の捜査、内35件捜査完了もしくは継続中、業務停止命令も

取り締まりの主体は、 北米証券管理者協会(NASAA)である。NASAAは歴史と伝統のあるボランタリー団体であり、コロンビア特別区(ワシントンDC)、プエルトリコ、米国、ヴァージン諸島、カナダ、メキシコなどの証券管理官らで構成されている。

NASAAによると、これまでに70回ほどの手入れが行われ、35件ほどが捜査完了済みもしくは捜査継続中である。数は不明だが、いくつかのケースで連邦証券法違反の容疑で停止命令が出ている。捜査対象となっているのは、未登録証券の販売と仮想通貨のICO発行に伴う不正行為や詐欺など。

NASAAのジョセフ・ボルグ会長は「われわれは投資家の立場に立ち、投資家に勧められるものを見つける。その後、われわれは次の手段を取り、彼らが証券法に準拠しているかどうかを注視する」と語る。ICOあるいは仮想通貨投資商品がすべて詐欺ではない。しかし、消費者がビットコイン(BTC)への強い需要を示せば、欺かれるリスクは高くなる。

同会長は「消費者がより大きなリスクに直面するのは、例えば大きなモーゲージをかけるなどして、ビットコインから利得の露出を取ろうとする非常手段に走る時だ」と説明している。

仮想通貨市場は詐欺行為にあふれ、摘発は氷山の一角

今回の手入れで、調査官は約3万件の仮想通貨関連ドメインネームを摘発した。これらドメインネームの多くは、2017年末にビットコインが2万ドル(約220万円)に近い高値を付けたころ取得されたものだという。多くの詐欺は、偽のアドレスや巧妙な販促資料を使い、1日当たり4%以上の利息を約束するものもあった。

さらに悪質なのは、有名人の不法な写真、例えばルース・ギンズバーグ最高裁判事のそれを使って、「不正はしていないと騙した」例もある。ウェブサイト広告では、チャールズ皇太子や女優ジェニファー・アニストンを不法に使う例もあった。

テキサス州証券委員会のジョセフ・ロタンダ氏は「国際的なタスクフォースの仕事は完了にほど遠いが、私の疑念はすでに晴れている。仮想通貨の投資市場は、詐欺行為にあふれており、われわれの仕事は氷山の一角を突いているだけだと分かった」という。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、最近の1470件のICOの内、271件は警戒信号と言うべき内容の売り込む詐欺行為だったと伝えている。

SEC委員長もクリプトスイープ作戦を高く評価

米証券取引所のジェイ・クレイトン委員長は5月22日、クリプトスイープ作戦を称賛する声明を発表した。同委員長はその中で「国と州レベルの規制当局者は、本道を行く投資家を保護する重要な役割を演じている」と述べている。

同委員長はさらに「この捜査活動は、意図的な詐欺師への強い警告であり、多くの目が注がれ、規制当局者は詐欺行為を抑止、なくすため強力に活動する国際レベルの調整を行っていることの表れである」と強調している。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

関連:偽ICOサイト「HoweyCoin」開設、高まるICO詐欺問題に米SECが警鐘を鳴らす

参考
WashingtonPost
Bitcoin.com

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