ブロックチェーンベース世銀債「Bond-i」が予定上回る8100万米ドルを調達

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世界銀行(世銀)がオーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA/Commbank)を通じて発売した初のブロックチェーンベースの世銀債「Bond-i」が機関投資家の人気を博し、発行予定を上回る8100万米ドルを完売した。

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オーストラリアの7機関が8100万米ドルの世銀債に投資

世銀が2018年8月23日(米東部標準時)発表したところによると、世銀債の発売は8月10日から21日までに7300万米ドル(約1億豪ドル)の目標から800米ドル超の8100万米ドル(約1億1000万豪ドル)に達し、調達目標を達成した。今回の世銀債は、満期が2020年8月28日、年間利息2.20%(年2回分割払い)となっている。

Bond-iに投資した企業は、CommBankのほかオーストラリア最大手保険会社QBE Insurance、年基金基金のFirst State Super、ニューサウスウェールズ財務公社(NSW Treasury Corporation)、南オーストラリア州金融公社(SAFA)、ビクトリア州金融当局(Treasury Corporation of Victoria)、Northern Trustの7機関。

世銀債の発売は、その破壊的テクノロジー(ブロックチェーン)の開発の可能性を高めるという世銀の戦略に沿ったもの。世銀は2017年6月、ブロックチェーンイノベーションラボを設立して、初のブロックチェーンベース世銀債発行を準備してきた。

世銀債Bond-iは投資家、特に公的機関から強い関心

世銀のアルンマ・オテ(Arunma Oteh)財務部長は「分散台帳型技術を使った先駆的な世銀債Bond-iの取引が、投資家から大いに歓迎されたことを喜んでいる。特に公的機関、ファンドマネジャー、銀行から得た関心の大きさに感銘している。このような質の高い投資家が、資本市場のイノベーションに向けてテクノロジーを活用する価値を理解してくれたことで、われわれはコンセプトを成功裏に実現することに何らの疑念もなかった」と語った。

世銀は毎年、国連の持続可能な開発目標(SDG)に協力して、500-600億米ドル相当の世銀債を発行している。その業績は70年の歴史を誇っている。1989年には初めて国際取引決済を可能とする債券を発売、2000年1月には電子債券(e-bond)を発行している。特にオーストラリアドル市場での起債は多く、これまでに豪州ドル建て世銀債は、世界の投資家からほぼ約600億豪州ドルを調達している。

世銀は8月10日、今回のBond-iの発売に関して、オーストラリア最大手のオーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)に発行から維持、分配、管理まですべての業務を委託した。Bond-iは、Ethereumブロックチェーン・ネットワークに基づいて発行された。Bond-iはブロックチェーンベースの債務証書(債券)であり、Microsoftのブロックチェーン・クラウドコンピューティング・プラットフォームであるAzureを実装している。

Bond-iの成功は、金融市場のブロックチェーン技術受け入れの引き金に

CBAゼネラルマネジャーのジェームズ・ウォール氏は、Bond-iは伝統的な金融市場にEthereumのような非集中型システムの能力を表したように、ブロックチェーン部門の記念すべき成果であると語った。

Bond-iは、伝統的な金融市場にEthereumによるパブリックブロックチェーンネットワークの商業利用の初の成功例となる。投資家からに関心の高まりの中で、Bond-iが引き続き成功すれば、世界の金融市場にブロックチェーン技術が一段と採用される引き金になりそうだ。

ブロックチェーン技術の活用は、世銀の幅広い戦略の一環であり、ブロックチェーンラボは、国際決済、土地管理、供給チェーン管理、健康、教育、カーボン市場取引などの分野など、多様なブロックチェーン技術について、世銀は将来にわたって、その能力と適用性を探求し続けると強調している。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

参考
Coindesk
CCN
WorldBank