ブロックチェーン技術がユーザーデータ保護に活躍、セキュリティ業界をリードするAcronisの取り組み

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ブロックチェーン技術がユーザーデータ保護に活躍、セキュリティ業界をリードするAcronisの取り組み

仮想通貨の取り扱いは、数多くのサイバーセキュリティ攻撃に対して脆弱性を露呈している。しかしこれは仮想通貨に問題があるのではなく、仮想通貨交換業者のセキュリティに問題があるパターンがほとんどだ。2018年内でいえば、日本国内でも大きなハッキング事件が何件か起きている。

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しかし、ブロックチェーン技術そのものに重大な欠陥はなく、データの改ざん防止やデータ管理などに対しては強い耐性を持っている。WindowsやMacなどにデータバックアップやシステム開発などのソフトウェアを提供するAcronis(アクロニス)も、ブロックチェーン技術の導入に取り組んでいる企業の1つだ。本稿ではAcronisが取り組むブロックチェーンについて、そしてブロックチェーン技術がデータを保護する仕組みなどを解説。

Acronis(アクロニス)が取り組むブロックチェーンとは

Acronisのジョン・ザニ(John Zanni)社長は、ブロックチェーン技術は90年代から2000年代にかけてインターネットが世界に拡大した動きと似ていると分析していることから、同社がブロックチェーンに対し期待していることがうかがえる。Acronisではイーサリアム(Ethereum)のブロックチェーン技術を使用し、データの保護・管理、その他指紋などの個人認証情報をブロックチェーン上に置き、改ざんが不可能となるようにした。

キャッシュレス化など、あらゆるものがデータによる管理へ移行を開始している今日、ブロックチェーン技術が世界中で採用され始めてきていることから、今後はさらにデジタルにおけるデータの比重は大きくなっていくと考えられる。

しかし、現状ではサイバー攻撃の脅威は常につきまとっている。過去の事例では、2017年9月に発生した米国の消費者信用情報会社であるエクイファックス(Equifax)に対するサイバー攻撃で、米国人口のほぼ半分の機密情報を危険な状態にさらすことになった。

このサイバー攻撃では消費者の個人情報 約1億4,550万人分が流出、少なくとも20万9,000人の消費者のクレジットカード情報の漏洩が確認された。この他にも、サイバーセキュリティの分野で直面する最大の課題の1つとして「データの改ざん」が考えられる。

ブロックチェーン技術がデータを保護する仕組み

ブロックチェーン技術は、複数のコンピュータ間でデータ処理を行う分散型システムである。そのため、全てのデータを根本的に破壊することはほぼ不可能であり、データの改ざんに対しては強い耐性を有する。

例えばAcronisは、データが改ざんされないようにするためにブロックチェーン技術を応用し、格納されている各データファイルに固有の暗号データであるハッシュを紐づけた。このハッシュは、全く同じ入力ファイルが与えられた時に同じ出力を生成するアルゴリズムであり、データの真偽性の検証に役立てることが可能だ。

データの変更に伴い生成されるハッシュは全く異なる。ハッシュアルゴリズムは一方向のみで動作するように設計されているため、出力からの元のファイル入力を判断することは不可能であり、プロセスの改ざんを防ぐ働きがある。

ブロックチェーン技術利用によるサイバー攻撃撲滅の可能性

データ改ざん防止のためにブロックチェーン技術を適用する場合、データ処理に発生するログの保護、法的文書の存在の証明、特定の日に作成されたクリエイティブな作品の確認などを行うことが可能だ。

例えば、作成したコンテンツを従来のやり方でインターネット上に公開した場合、盗作及びセキュリティ上のリスクが常につきまとう。

しかし、ブロックチェーン技術を応用した場合、あらゆる著作権の保護やデータによる証明も可能となる為、新たなプラットフォームの構築につながる。つまり、サイバーセキュリティ対策としてブロックチェーン技術を応用した場合、あらゆるサイバー攻撃を無力化できる可能性すらあると言える。

今後、ブロックチェーン技術は更に世界中に拡大するシステムとなり得る。そのうえで、個人や企業がブロックチェーン技術をどのように活用するのか、世界各国で検討する必要があるのではないだろうか。

セキュリティに関しても、ブロックチェーン技術の応用によって解決できる問題も多い。既存のシステムにどういった変化を与えていくのか、セキュリティにおけるブロックチェーン技術の活用に注目していきたい。

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参考:Forbes

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