今回は、「なぜ、ビットコイン取引量で日本が1位なのか?」ということのお話しです。前回の記事から読み進めてもらえると理解が深まると思います。

前回の記事(ビットコインの仕組み:ピア2ピアってなに?)

「ビットコインが店舗で使用可能に!」「ビットコイン取引量”日本”が世界一に!」というニュースが最近聞こえてきます。HIS、ビックカメラ、メガネスーパーなどが導入を進めていますね。

このようなニュースなどを聞くと、「知らない間にビットコインでみんな買い物しているのかな?」と思ってしまう人も多いのではないでしょうか。

しかし、実際にビットコインを買ったことのある方や使ったことがある方は、まだまだ少ないと思います。

「ビットコインが店舗で使用可能に!」
「ビットコイン取引量”日本”が世界一に!」

この2つのニュースは同じビットコインを扱っていても、全く別世界のお話をしているのです。具体例で説明していきます。

実需と投機の違いは

ハワイに旅行して、空港の両替で数万円をドルに換える、こんな経験をしたことがある方は多いのではないかと思います。

目的はもちろん、現地にてドルで支払いをするためです。実際に使用するためにドルを手にいれました。これを実需とします。

一方で、この読者の方にはFX取引にて、ドルやポンドなどの取引をしている方も多いのではないでしょうか。しかし、その取引はハワイやロンドンへの旅行先で使うためではありませんし、ほとんどの取引は証拠金を利用したレバレッジ取引です。

投機として、その取引に参加していて目的も利益を上げることです。
使うためではありません。

投機市場はとてつもなく大きい

実需と投機ではどれくらいのドルと円が動いているのでしょうか?

2016年
日本は、アメリカに141,429億円分の輸出をしています。
日本は、アメリカから73,221億円分の輸入をしています。
参考:財務省関税局

あまりにも桁が大きすぎてピンとこないかもしれません。

ただ、アメリカというお客さんは日本製品に14兆円も払ってくれているのに、日本は7兆円しかアメリカから買っていないということで、トランプ大統領が対日貿易赤字について不満を言うニュースが流れることがあります。

貿易黒字とか難しい単語が並んでいてよくわからないと感じているニュースも、簡単に言えば、「日本の製品14兆円も買っているのだから、もう少し何かアメリカのものを買ってよ!お互い様でしょ!」と言っているだけで、近所付合いの延長ですね。

話が脱線しましたので元に戻すと、日本とアメリカの間には、輸出と輸入で合計21兆円程度の取引が年間あります。これは実需ですね。

では投機はどうでしょうか?

例えばGMOクリック証券の月の取引高が80兆円くらいです。
参考:GMOクリック証券 FXネオ2017年8月売買代金

もちろんこの80兆円にはいろんな通貨が含まれますし、ものすごく乱暴な比較というご指摘はあると思いますが、言いたいことは、投機市場というのはとてつもなく大きいということです。

ビットコインの実需と投機

では、今ビットコインでは何が起きているのでしょうか?Crypto Compareというサイトを見てみましょう。下記のようなことがわかります。

・USD建ビットコインの1日の取引高が104K、うち45KがBitfinex取引所経由で取引
・CNY建ビットコインの1日の取引高が9K、うち4,7KがOKCoin取引所経由で取引
・JPY建ビットコインの1日の取引高が133K、うち87KがというbitFlyerFX取引所経由で取引

bitFlyerについて補足をすると、bitFlyerFX(bitFlyer Lightning)というサービスとbitFlyer(ビットコイン販売所)と2つが並存しており、bitFlyer(ビットコイン販売所)はビットコインそのものを売り買いするサービスで、別途12Kの取引高があります。

bitFlyerFXという名前からもわかるように、こちらがレバレッジ取引です。
そして、その量がダントツで大きいということです。

ただ、bitFlyerFXの一日の取引高が300億円程度として、一ヶ月で1兆円程度です。GMOクリック証券の1%くらいでしょうか。

日本はFX大国

世界的に見て、日本では特異的にFX市場が発達しました。

私の在籍する取引所もFX市場の監督権があり市場をモニタリングしていますが、インドネシアに限らず、世界の投機市場では金の取引の割合が大きく通貨と人気を二分しています。

日本というFX市場がすでに出来上がった場所に、新商品としてビットコインが追加され、お試しでみんな取引を開始したら、知らない間に世界トップになったというのが事実かと思っています。

「中国が規制を開始した!」というニュースがありましたが、価格自体がほとんど落ちないのも当然です。取引を牽引しているのはbitFlyerFXだからです。

ここで、もう一度2つのニュースを読むと、

「ビットコインが店舗で使用可能に!」⇒実需市場のニュース
「ビットコイン取引量“日本”が世界一に!」⇒投機市場のニュース

ということがわかると思います。

仮想通貨の健全な発展のためには

ビットコインは投機市場の一つの新商品として使われているというのが現状で、我々の実需の世界で使用ということではかなり遠いという結論だと思います。

しかし、ビットコインが健全に発展するために投機市場はとても重要です。

投機市場にて売り買いがされ、価格が安定しているからこそ、実需として保有するということが可能になります。

ビットコインを持っていても、数日で価値が半分になるようなことがあっては誰も持ちたがりません。

また、技術や開発の観点からは先日のビットコイン分裂騒動でビットコイン・キャッシュが誕生しましたし、さらに多くの機能を持ち合わせたEthereum(イーサリアム)という仮想通貨も存在しています。

しかし、日本ではbitFlyerFX のビットコイン取引があまりにも先行しており、Ethereum(イーサリアム)等の取引の割合があまりにも少ないという事実があります。

もう少し、他の仮想通貨にも目を向けることで、よりビットコインにも理解が深まると思います。その理解があれば、ビットコイン関連のニュースがあっても、根拠に基づいて判断ができるのではないでしょうか。