メインネットを開始したエニグマ(Enigma)、プロトコルの変更点とその今後

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メインネットを開始したエニグマ(Enigma)、プロトコルの変更点とその今後

ブロックチェーンのプライバシーソリューションを進めるエニグマ(Enigma)は2月13日にメインネットが正常に立ち上がったことを発表した。メインネット開始から、以後どのようにプロジェクトが進んでいくのかを確認する。

これまでの発表によると、エニグマは、2017年にイニシャルコインオファリング(ICO)を行い、ENGトークンを販売し約4,500万ドル(約50億円)を資金調達していた。米国証券取引委員会(SEC)は、ENGトークンが証券であるとし、エニグマが証券法に基づいてICOを登録されていないとして指摘。エニグマに対し50万ドルの罰金を科し、投資家に資金を返還するプロセスに同意することで和解した。また、ENGトークンを証券として登録し、SECに定期報告するとしている。

SECがこの判決を発表した日に、エニグマはメインネットの立ち上げを発表した。メインネットはイーサリアムではなく、コスモスに基づいたブロックチェーンとなり、新しいトークンであるSecret token(SCRT)で作られている。

エニグマ2020年2月13日の発表

出典:The Enigma Mainnet Has Launched!

メインネットの立ち上げによりプロトコルに加えられた変更点

エニグマは以前提案したプロトコルから変更を行った。以前のプロトコルは、トークンの供給が固定され、委任を許可しないモデルであった。これにより、ノードオペレーターがエニグマのエコシステムへ参加できなものとなり、結果的にセキュリティが不安定となる可能性があった。プロトコルをより持続可能かつ安全なものとするためにもコンセンサスレイヤーからプロトコルの変更を考える必要があった。

以前はイーサリアム(Ethereum)をコンセンサスレイヤーとして使用していた。イーサリアムの将来のロードマップが不明であることと、スケーラビリティの問題からエニグマのユースケースが制限されてしまう恐れがあった。コンセンサスレイヤーを変更することで、すべてのブロックチェーンに対しプライバシーソリューションを提供するビジョンに集中することができると判断した。以下に変更の概要となる。

  • 現在のメインネットは、Cosmos SDK / Tendermintに基づいたブロックチェーン
  • ステーキング、ガバナンス、取引手数料に使用されるSCRTトークン
  • 新しいチェーンは、イーサリアムの代わりにエニグマネットワークのコンセンサスレイヤーとして機能
  • インフレーション型であり、ネットワークのSCRTの量に応じて年間10〜25%のインフレーションが発生
  • 委任、消滅、オンチェーンガバナンスの要素
  • ネットワークに参加するための最低額はない
  • 現在は50人のノードに制限されている
  • 50人から外れたノードの場合、アクティブなワーカーにトークンを委任することでステーキングに参加できる。
  • シークレットコントラクト機能は開発を続けている。(導入時はコミュニティによりハードフォーク等の投票を行う)
  • ジェネシスゲームはなく、誰でもステーキングノードの立ち上げや委任ができる

エニグマの2種類のトークンENGとSCRT

現在エニグマには、2017年のICO時に販売したENGトークンと今回のメインネット立ち上げによりSCRTトークンの2種類が存在する。現在、ENGトークンとSCRTトークン間でトークンの交換を行うアイディアを研究しているようだ。

エニグマのブログには、「私たちは、ERC20のENGトークンとメインのSCRTトークン間でトークン交換を促進するための法的準拠手段を模索するために取り組んできた。適用されるすべての証券規制に準拠する効果的な方法を特定するために、弁護士や規制当局と議論を続けているが、当面チームはスワップに促進を進めることはできない」とのコメントされている。

またエニグマのチームは、SCRTトークンをより広く配布するために手段を探しているとのこと。

シークレットコントラクト統合の後

シークレットコントラクトをエニグマのメインネットに統合することにより、プロトコルは高速コンセンサス(PoWチェーンに欠けているもの)を達成でき、イーサリアムや他のブロックチェーンと相互運用が可能となる。プライバシーソリューションをより多くのネットワークにもたらすことができる。今後3〜6ヶ月でシークレットコントラクト機能を統合する提案を行う予定となっている。

エニグマは、開発の中でコンセンサスレイヤーをイーサリアムからコスモスへ変更しメインネットを稼働させた。持続可能で安全なネットワークを構築し、さまざまなブロックチェーンと統合することを考え、変更したようだ。どのブロックチェーンに対してもエニグマのプライバシーソリューションを提供できることが目標となる。

しかし、この変更によりトークンが2種類存在していることになり、この2つのトークンをどう扱い交換できるようにするかは今後の課題となるだろう。また、エニグマネットワークでノードを実行したい人へのドキュメントは今後リリースされるとのこと。シークレットコントラクトの開発状況も含め注目していきたい。

参考
The Enigma Mainnet Has Launched!

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