もう1つの米中戦争の行方は?中銀発行の準備通貨をめぐる覇権争い

編集部おすすめ

もう1つの米中戦争の行方は?中銀発行の準備通貨をめぐる覇権争い

Galaxy Digital Capitalの最高経営責任者(CEO)でビリオネアのマイケル・ノボグラッツ(Michael Novogratz)氏はこのほど、中国が米国に対抗して人民元と等価交換できる中央銀行デジタル通貨(CBDC=Central Bank Digital Currency)の発行を急いでいると、Twitterに書き込みました。

貿易戦争の様相を呈している米中貿易摩擦は、仮想通貨の世界にまで広がっていると言う、ノボグラッツ氏の見解は興味があります。別のデータによると、ブロックチェーン技術関連ジョブの求人は米国がリードしていますが、PWC UKの調査では、3-5年後には中国が米国を追い抜くだろうと予測しています。

米ドルの国際的準備金としてのポジションが揺らいでいる

ノボグラッツ氏は、米大手仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)のブライアン・ブルックス(Brian Brooks)最高法務責任者(CLO)が、ニューヨークタイムズ紙電子版に投稿(2018年12月18日)した「米国はデジタル通貨準備制度への移行を先行できる」 の記事にコメントしました。

「米国ドルは世界の支配的な準備通貨として数十年を経たが、そのポジションは現在挑戦を受けている」との書き出しで始まるブルックス氏の記事は、挑戦相手の中国を意識して、米ドルが直面するだろう危機を次のように表現しています。

「世界の中央銀行準備金の内、ドルが占める割合は、過去10四半期中9四半期で下落してきた。このような下落傾向は目新しいことではない。それは10年前、欧州の指導者たちが、共通の世界準備金としてユーロベースの通貨バスケットでドルを置き換えようと試みた時に始まった」

ブルックス氏は、米国がかつて雇用の創出と経済の改善を先導するFacebookやe-bayのような大手業界プレーヤーを誕生させたインターネット革命を支援、先導したように、米国通貨(ドル)のこれまでのステータスに挑戦するグローバリゼーションに逆らってはならないと強調しています。むしろ、多国籍通貨ともいえる将来のデジタル通貨を可能にする、テクノロジーを育てる機会を捉えなくてはならないとの自説を展開しています。

ブルックス氏はさらに、ブロックチェーン技術はどうすれば、米国がトップに立つため必要な金の卵を産むガチョウになりうるかいう話を進めています。世界では中国だけでなく、マルタやスイス、シンガポール、日本などが、デジタル資産を採用して波に乗るリーダーとして、金の卵を産むダチョウになろうと努めています。

「私が習近平主席なら人民元等価交換可能な仮想通貨開発」

またの名がビットコイングル(ビットコイン第一人者)というノボグラッツ氏は、仮想通貨の採用と開発の先頭に立つべきであると以下のようにTwitterに投稿しています。

「これが重要な点だが、中国は多くの発展途上国の世界で、決済の選択肢となりうる仮想通貨人民元(RMB)を発行するとなれば、私が習近平主席で米国との冷戦状態に入れば、私はそのような(人民元と等価交換できる仮想通貨発行)レースに参加しているだろう」

この発言に対してTwitter上で素早く賛否両論の反応が出ました。大方悲観的な見方です。デヴォン・メスカル(Davon Mezcal)という名のユーザーは、次のように反応しました。

「もしそれが国家発行の仮想通貨であるなら、現在法定通貨を悩ませている中央集権化と同じ問題に苦しむことになるだろう。仮想通貨を非合法とすることはさておき、健全な通貨を持たない政権は、最後には崩壊するという事実を変えることはできないだろう」

別のユーザーのノットマイ・リアルネーム(Notmy Realname)は「デジタルrmb(人民元)は、仮想通貨ではないことを理解する必要があり、人々を欺くことに手を貸す必要もない」と述べています。

関連
ビットコイン(BTC)にとって中銀発行デジタル通貨(CBDC)は救世主?
仮想通貨に世界で最も厳しい姿勢の中国の事情

参考
AMBCRYPTO
New York Times