英金融グループ最大手バークレイズがブロックチェーン活用で計3特許申請へ

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英金融グループ最大手バークレイズがブロックチェーン活用で3特許申請

300年の歴史を誇る英金融グループ最大手のバークレイズ(Barclays)が、デジタル通貨の送金とブロックチェーン(分散型台帳)を利用するデータ保存にかかわる2つの特許を米特許商標庁(以下:USPTO)に申請した。USPTOから2018年7月19日付で受理された。

バークレイズが伝統の殻を破って、この分野に進出するのは、同社のエコシステムの中で、金融の将来的可能性をすべて吸収する意欲的な試みと観測されている。バークレイズは同日付でまた、金融機関が法定通貨と連結するデジタル通貨を必要に応じて生殺(作成または破壊)するシステムに関する別の特許を申請している。

デジタル通貨の送金方法とデータ請求と保存の2特許取得

USPTOのファイルによると、1つ目の特許は支払人から受取人へのデジタル通貨の送金方法とシステムに関するもの。両者の身元(identity)の安全性を確認、公開鍵(public ckey)の暗号とデジタル通貨台帳から取引記録を検証するもの。特許にかかわる受益者は、個人、企業、銀行など。

参考:USPTO①

2つ目の特許は、特定事業者のデータ請求と保存に関するもので、例えば顧客の本人確認(KYC)目的の個人情報確認などが目的。

これは英国の証券取引所にとどまらず、米国のニューヨーク証券取引所(NYSE)の会員権を確定するにも不可欠な情報管理システムである。バークレイズはこの面からも、世界で最も強力な銀行であると評価されている。

参考:USPTO②

バークレイズは過去2年、仮想通貨空間で活発な活動が目立っていた。バークレイズは2017年夏、暗号通貨が金融業界に与える脅威を警告していた。2018年春、バークレイズは大手取引所Coinbaseと提携した際、社内に仮想通貨取引デスク開設を検討中とのうわさも流れた。今回の2件の特許申請は、バークレイズが将来の財務状況に照らして、自社の立場を固める方針の表れだとの推測を裏付けている。

金融機関のブロックチェーン、仮想通貨関連特許は幾何学的に伸びる

金融サービス業界はこのところ、仮想通貨との関わり合いで動きが目立っている。マスターカード(Mastercard)は、仮想通貨の「部分準備金(fractional reservs)」を管理する方法で特許取得した。これは明らかに、取引時間の短縮を狙って仮想通貨を部分的にカバーしている「クレジットカードを使って、法定通貨に代わる支払いを認めること」を想定したものだろう。ブロックチェーン技術研究・開発企業のNchainは2018年7月、EUの欧州特許庁から「ブロックチェーンを利用するデジタル著作権管理」に関する3つの特許を取得している。

世界企業によるブロックチェーン、仮想通貨関連の特許申請は、2016年から幾何学的数字で伸びている。バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)は2017年、45件以上の関連特許を取得して、「暗号通貨関連特許のキング」になった。ちなみにコンピューター最大手のIBMでさえ、34件だった。

参考:Bitcoin.com(2018/2/16)

法定通貨と連結したデジタル通貨を必要に応じて生殺できるシステム特許

バークレイズの第3の特許は、特定のユーザー(特に金融機関)が、ブロックチェーンネットワーク上で一連のデジタル通貨を生殺することができるシステムの特許である。生殺にかかわる2つのシークレットキーを使って、法定通貨と連結した台帳上のデジタル通貨を必要に応じて生殺するシステムである。

参考:USPTO③

このようなシステムは、法定通貨のファンドを預託して、デジタル通貨システムとその他すべての通貨システムの価値総額の間のバランスを変えることなく、台帳から引き出せるようにするもの。バークレイズは、ブロックチェーンネットワークの基盤として、法定通貨と連結した安定したコインの創出する構想を実現することができる。

このシステムは、詐欺などの犯罪に関連して、ファンドを速やかに凍結するツールにもなるという。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

関連:バンク・オブ・アメリカ:ブロックチェーン利用のデータ保存システムを特許申請

参考:CCN

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