ビットコイン(BTC)ブームに沸くアフリカ、トランザクションは55%増加

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ビットコイン(BTC)ブームに沸くアフリカ、トランザクションは55%増加

ビットコイン(BTC)がアフリカで今、中小企業主の取引や季節労働者の送金などを中心にブームを呼んでおり、送金のスピードと利便性が受けています。ブロックチェーン分析会社チェイナリシス(Chainalysis)のデータによると、アフリカに出入りする仮想通貨送金額は、1年前に比べて55%増と飛躍的に伸びています。

ビットコイン(BTC)の送金は中小企業と移民労働者で目立つ

同データによると、1件につき1万ドルに満たないビットコインの送受金の月間総額は、今年6月に3億1,600万ドルに達しました。1年前から55%以上の増加です。1万ドルという比較的少額の送金は、実はトレーダーからのものではなく、中小企業主など個人からの送金でした。

ロイター通信は9月8日、アフリカに居住する20人のビットコイン保有者と5つの取引所から集めた情報を引用して、アフリカの仮想通貨ブームは、ビットコインをいち早く受け入れようとする若者やテクノロジーに通じたユーザーにけん引されていると伝えています。彼らは特に、送金業務が遅々として進まないアフリカの銀行の官僚的な事務処理を嫌っています。

ケニアの首都ナイロビの仮想通貨ブローカーであるフランクリン・キヒウ(Frankline Kihiu)氏は「アフリカ人は生活を楽にするテクノロジーなら何でも良く受け入れる」と前置きして、ビットコイン採用の理由の1つとして規整環境を挙げています。

ドル入手が難しい輸入業者がビットコイン(BTC)を大幅利用

企業がビットコインに目を向けるもう1つに理由は、アフリカでは米ドルを入手することが難しいことです。ナイジェリアの通貨ナイラは今年3月、原油価格の下落と新型コロナウイルスまん延が理由で、大きな通貨切り下げを断行しました。

ナイラが軟化した結果、輸入業者は米ドルを買うため以前より多くなナイラを支払わなければならなくなり、彼らは国際貿易のデファクト通貨つまり米ドルやポンドに代わる通貨すなわちビットコイン(BTC)を利用するなどの代替手段を求めます。

ロイター通信は、ナイジェリアの港湾大都市ラゴスのストリートマーケットで携帯電話を販売しているアボラジ・オデュンジョ(Abolaji Odunjo)さんが、どうしてビットコインで支払いをするようになったかをルポしています。

携帯電話の輸入先は中国とアラブ首長億連邦(UAE)ですが、中国人バイヤーからビットコインによる支払いを求められたのが利用の始まりです。「通貨切り下げの影響から私の仕事を守るのに役立ったのがビットコインで、仕事は即座にうまくいった」とオデュンジョさんは語ります。

ビットコイン(BTC)取引ブームに沸くアフリカ

ナイラの下切り下げによって、多くのナイジェリア人が注目したビットコインは、ドルに代わって海外から商品を購入する利便性のある手段となりました。衣服糊メーカーを経営する男性は、これまでの取引が総額2BTC(約2万ドル)に達し、「私には銀行は必要なく、闇市でドルを売ってくれる人も必要ない」と語ります。

ラゴスで仮想通貨取引所BuyCoinを運営するティミ・アジボエー(Timi Ajiboye)氏は、ナイラ切り下げ後、月間のビットコイン取引量は6月に3倍の2,100万ドルに跳ね上がったと語ります。アフリカの仮想通貨取引所はすべて、同様のブームに沸いているそうです。

アフリカで仮想通貨の取引プラットフォームを展開するイエローカード(Yellow Card)は、月間の仮想通貨取引量が今年5倍に増え、8月には2,500万ドルに達したといいます。取引量増加を牽引したのは、送金にビットコインを利用する労働者だとしています。

参考
How bitcoin met the real world in Africa

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長瀬雄壱
フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者。在職中は社会部、科学部、外信部で記者活動を行なう。特に外信部では、10年余り海外特派員(3カ国)を務め、国際関係、政治、経済、社会、戦争取材など、あらゆる分野で記者活動を続けた。翻訳業務経歴は約50年あり、今でも海外ニュースを深くモニターしている。