2017年末のビットコイン(BTC)高騰は市場操作だったのか?テキサス大学研究者が分析

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2017年末のビットコイン(BTC)高騰は市場操作だったのか?テキサス大学研究者が分析

ビットコイン価格の高騰とその後の大幅下落は、市場操作の結果という研究発表が市場を揺るがしている。市場操作の元凶は、米ドルとの連動(等価交換)をうたっているトークンTether(USDT)とされている。

主張するのは、米テキサス大学の研究者らで、ブロックチェーンのデータを分析した結果、ビットコイン(BTC)が市場で下落した直後、複数の取引プラットフォームからTether(USDT)との交換で、ビットコイン(BTC)の購入があったことを発見した。論文は2018年6月13日に発表された。

市場操作の裏付けは別名「恐怖指数」というVIX指数の不審な動きから

仮想通貨取引所大手のビットフィネックス(Bitfinex)と同じ経営者が仮想通貨を発行するTether両社はこれまで、米商品先物取引委員会(CFTC)から召喚状を送付されるなど、何度かトラブルに関係してきた。米司法省は5月、仮想通貨と価格操作に対する犯罪捜査を開始した。今回の研究結果は、その渦中に発表された。

テキサス大学のジョン・グリフィン教授とアミン・シャム氏(大学院生)は、VIX指数の不審な動きから市場操作があったことを読み取り、今回の論文にて「Tetherは、ビットコイン相場の安定と操縦の両方の目的に利用されたと考えられる」との結論を導いた。

VIX指数とは、「ボラティリティ・インデックス(Volatility Index)」の略称である。シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、米国の主要株価指数「S&P500」を対象とするオプション取引の値動きを基に算出・公表している指数である。VIX指数は投資家の恐怖心理を示すパラメータとして有名で、VIX指数が高いほど、投資家が相場の先行きに不透明さを感じていることを示すという。VIX指数は別名「恐怖指数」とも呼ばれる。

2018年Q1に2億枚のTetherを発行して相場を操作

グリフィン教授によると、Tether(USDT)は親会社Tetherによって2018年Q1(第1四半期)に、ビットコイン価格が大幅下落した際に2億枚の大規模な単位で発行され、ほぼ全額がBitfinexなど仮想通貨取引所に移管された。

ビットコイン価格が下落した2018年1月以降、Bitfinexなどいくつかの取引所は、新規発行テザーを使って「相場を押し上げるため、協調的にビットコイン(BTC)を購入するという手口が見つかった」という。新しいトークンが発行され、米ドルで購入されなかったことは、下落した価格を持ち上げ、価格の急上昇や下落が一時的なものであるとウォレット所有者に再保証するために利用されたという考え方だ。

操作はビットコイン価格が高騰した2017年12月から始まった?

グリフィン教授は多くの市場を観察し、「市場の不正や操作があれば、データにその形跡が残る。データを追跡すると、操作があったという仮説とかなりの程度整合した」と説明している。同教授はさらに「昨年(2017年12月)は明らかに途方もない価格上昇があったが、この論文はこのような価格上昇に(市場)操作が大きな役割を演じたことを示している」と述べた。

伝統ある総合大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のフィリップ・グラッドウェル教授は、このようなパターン調査を先駆けた研究者で知られるが、今回の論文の分析は「理にかなっているようだ」とコメントしている。

Bitfinexのヤン・ルドビクス・バンデルベルデ最高経営責任者(CEO)は「当社とTetherも、市場・相場操作に携わったことはない」と完全否定した。Bitfinex、Tether両社は、CEOを含めて同じチームが経営している。同CEOはさらに「Tetherの発行は、ビットコイン価格あるいは当社が扱うほかのコインもしくはトークンを下支えするため利用されたことはない」と語っている。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

関連:ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
express
bloomberg
NYtimes