ハッシュレート下落と売り圧力でビットコイン(BTC)採掘者は利益が上がらない

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ハッシュレート下落と売り圧力でビットコイン採掘者は利益が上がらない

新型コロナウイルスの世界的まん延がきっかけで、世界の金融・株式市場の暴落と併せて、暗号資産(仮想通貨)市場でも、ビットコイン(BTC)価格がこの数週間、115万円から約45万円辺りまで大暴落しました。このところその価格は70万円を抜け緩やかな回復基調にありますが、マイナーはハッシュレートの大幅下落と仮想通貨の売り圧力の影響を受けて、利益はほぼ期待できない状況に追い込まれています。

ハッシュレートは過去最低に、マイナーの落ちこぼれ始まるか?

ビットコインのマイニングによる収益性は、電気料金に基づいて地理的に差異がありますが、今回の売り圧力によって、マイナーは通常の採掘業務を続けていては利益が上がりません。

マイニングの収益性はビットコイン半減期を迎える2カ月前の3月17日、テラハッシュ(T/HASH)当たり0.07ドルまで落ち込みました。並行して、過去最高を記録してきたハッシュレートも下落、弱小マイナーの落ちこぼれが始まりかねない状況です。

ブロックチェーンデータプロバイダーのグラスノード(Glassnode)はTwitter 上で、このようなマイナーの状況を伝えて、「ビットコイン価格の下落によって、マイナーは今や採掘作業を続けても利益が上がりません。ピーク時の3月7日以来、価格が5,000ドルまで下落した後に一段とハッシュパワーを失い、ハッシュレートは16%も下落した」と説明しています。

ASIC S9など市販の採掘機器では損益分岐点に達しない

マイニング収益は、電力コストと採掘機器に大きく依存しています。リポートによると、採掘マシーンのASIC S9は史上最悪の損益分岐点であり、この機器を使った採掘は、ビットコイン価格が7,643ドルを上回らない限り利益が上がらないとされています。

ASIC S17を利用するマイナーは何とか持ちこたえおり、価格が3,598ドルを上回る限り利益をあげてはいます。しかし、価格がそれ以下になれば、持ちこたえることができず赤字になります。

ほかのInnosilicon T3+67やAvalon 1166などの機器は、それぞれビットコインの価格が3,970ドルと4,299ドルが収支トントンといわれます。半減期を迎えて採掘報酬は半額なれば、これらの数字は修正される必要に迫られます。

バイナンスのCEOは依然と強気な姿勢

ビットコインニュースメディアであるBitcoinistによると、仮想通貨ヘッジファンドのアダプティブキャピタル(Adaptive Capital)のパートナーでアナリストのウィリー・ウー(Willy Woo)氏は、ビットコイン価格が1,000ドルを割る事態を想定して、「採掘し続けることができる最強のマイナーにとっての試練の始まり」と述べ、そのような事態なれば、ネットワーク全体が攻撃を受けやすくなると警告しています。

対照的に、最大手取引所バイナンス(Binance)のジャオ・チャンポン最高経営責任者(CEO)はReddit(レディット)上で、「私にペニーコイン1枚残っている限り、(BTC価格がゼロになることは)あり得ない」と表現して、今回の仮想通貨市場の不況に直面してなお強気の発言を貫いています。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
BITCOIN MINING PROFITABILITY PLUMMETS TO $0.07 PER T/HASH

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長瀬雄壱
フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者。在職中は社会部、科学部、外信部で記者活動を行なう。特に外信部では、10年余り海外特派員(3カ国)を務め、国際関係、政治、経済、社会、戦争取材など、あらゆる分野で記者活動を続けた。翻訳業務経歴は約50年あり、今でも海外ニュースを深くモニターしている。