ビットコイン(BTC)価格はソーシャルメディアの「声なき声」に左右される

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ビットコイン(BTC)価格はソーシャルメディアの「声なき声」に左右される

ビットコインの価値(価格)は、知らず知らずのうちにソーシャルメディアのサイレントマジョリティ、つまり「声なき声」の影響を受け、結果的に操作されている-これは米私立スティーブンス工科大学ビジネススクールのフェン・マイ(Feng Mai)准教授らの興味ある研究結果である。

同大学の研究者は、ほかの3大学との共同研究で、ほぼ2カ月分のTwitterで330万件を超えるツイートとビットコインフォーラム“Bitcointalk”で34万4000の記事を収集、汎用プログラミング言語Pythonスクリプトを利用して、ビットコインを「肯定」「否定」「その他」に仕分けて分析した。また、統計手法のベクトル誤差修正モデル(VECM)を用いて、ビットコイン価格と関連する「ツイート」を比較した。さらに、S&P500株価指数、金の価格、恐怖指数などの指標も参考にした、極めて科学的な分析である。

ビットコイン価格はSNSの影響を受けるとの初の科学的分析結果

その結果分かったことは、第1にビットコイン価格はSNS上の意見に影響された。第2に、ビットコイン価格により大きな影響を及ぼすのは、良く投稿する人(vocal minority)より、サイレントマジョリティ(silent majority)つまり「声なき声」の方だった。

換言すれば、「ソーシャルメディア上でより肯定的なコメントが投稿されている間は、ビットコインの価格上昇に大きな影響を及ぼした」との結論に達した。この研究結果は、Journal of Management Information Systemsに発表された。

マイ教授は結論について、「われわれの多くは恐らく、直感的にこの結果を信じているが、ソーシャルメディアとビットコインが実際に連動(リンク)していることを証明する、初の確実な統計的結果である。直感的だが前向きの感情が、ビットコイン価格を動かしているのだろう」と語った。

サイレントマジョリティはビットコイン価格上昇に10倍以上影響を及ぼした

研究チームはさらに深く踏み込んで、ビットコインのツイートと記事を2つ、つまり良く投稿する人(vocal minority)とサイレントマジョリティ(silent majority)に分類した。その目的は、どのようなコメントが価格変動に最も影響を及ぼすか知ることである。「ソーシャルメディアで良くしゃべる人は、実際に投資しており、一定の目的意識を持っていることから、ビットコインの価格により大きく影響し、価格上昇を促すのではないかとの仮説が正しいかどうか調べた。

マイ教授は「実際に誰が価格に影響を及ぼしているか知りたかった。つまり、時に偏見さえあるヴォーカルマイノリティ(積極的に意見を述べる少数派)か、余り意見を言わない多数派なのか、それとも両方か?」と問いかける。

結論は、SNSで活動的なユーザーのコメントやツイートは、ビットコイン価格にあまり影響を与えなかった。ところが、サイレントマジョリティ(声なき声)は、めったにSNSに投稿しないのに、彼らが前向きのコメントを投稿すると10倍以上も価格上昇に影響を及ぼしたことが分かった。

「声なき声」の意見は有用で、知りたい情報だった!?

「これは大きな発見である。人々は声なき声をはるかに信用しているが、恐らくそれは彼らが目的意識(隠された意図)を持っていないからだろう」と、マイ教授は言う。同教授は加えて、「彼らがたまたまコメントを投稿して時がたつと、実はビットコイン価格をより正確に予測していたことが分かる。投資家やこれから投資しようという人にとって、彼らの意見は役に立ち、本当に知りたい情報だ」とコメントした。

マイ教授は次の研究調査対象として、ブロックチェーン技術と、同様のテクノロジーを使うソーシャルメディアとの関係を調査したいと述べている。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

関連:ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
stevens.edu
financemagnates