ビットコイン(BITCOIN)登録商標をめぐり英国で初の争い、個人や企業の利用は商標侵害に?

3798

編集部ピックアップ

ビットコイン(BITCOIN)登録商標をめぐって英国で初の争い、個人や企業の利用は商標侵害に?

英国のA.B.C. IPHoldings South West社が、「BITCOIN(ビットコイン)」を商標登録していたことを盾にして、電子商取引サイト(ECサイト)Etsyに対しBITCOINロゴを表示したTシャツを販売しないよう警告する電子メールを送った。

英国の知的財産庁(IPO)はこれを受けて、ロンドンのEtsy販売業者が衣服の販売を停止する処分を行った。知的財産庁は、電子メールを追跡した結果、BITCOIN名が英国で登録されているほか、数多くの国で登録処理中であることが分かったという。

「BITCOIN」はIPHoldingsによって2017年2月に商標登録

IPHoldingsは2017年12月22日にすでに、Bitcoinの商標登録していた。Etsyのある販売業者はそれと知らず、TシャツにBITCOINの商標をあつらえて販売しようとしたことで、同社は電子メール(2018年5月25日付)で警告した。電子メールの内容は以下のようなものであった。メールのタイトルは「Etsy上でのBITCOIN商標の不正使用について」とある。

「あなたはetsy.co.ukサイト上でBITCOIN商標を付けたさまざまな衣服を販売していると、当社クライアントから注意喚起がありました。いくつかの衣服の画像を添付します。御社は、衣服に関連してBITCOINの商標を利用する権限はありません。従って、そのような利用は(英国)1994年商標法のs10(1)項に従って、商標の侵害に相当します」

Etsy上でのBITCOIN商標の不正使用についてメール文章出典:imgur

BITCOIN名を利用した商品を作り、販売することは、多くの企業にとってまさに驚くべきことに違いない。しかし、ある企業が、本来だれにも属さない商標を登録することは、実は技術的に合法なことである。そしてまた、BITCOINがこのような脆弱性を持っていること自体が、本質的な問題でもある。ある企業がこのような事情を利用して、商標を主張することは可能なことではあるのだ。

ロンドンのIPHoldingsについては情報が少ないが、BITCOINに関する商標登録は、「UK00003279106 Bitcoin」ナンバーで正式に登録されていることが確認されている。同社は大人や子供の衣服、靴、ヘッドバンド、ソックスなどの製造・販売を行っている。

米国やドイツでもBITCOIN商標登録、商標侵害は避ける動き

IPHoldingsは、BITCOIN名の商標として利用することが認められた数少ない例である。この電子メールを契機に、海外情報サイトnews.bitcoin.comやcryptovest.comらが独自に調査した結果、ほかにもいくつかの登録や試みが見つかった。

例えば米国では2015年3月、Urban Trend社が特許・商標庁(PTO)からBITCOIN登録を拒否された。1年後の2016年3月には、ロシアのM-Group社がロシア特許庁から同様に拒否された。

最近では、アシュラフ・アルカカ(Ashraf Alqaqa)名の男が個人で、BITCOIN名の商標登録を米特許商標庁に申請した。商標はまだ認められていない。彼は5月26日、特許庁に申請を修正して「Mr. Bitcoin(ミスタービットコイン)」に変更してもらえなければ、申請自体を取り消すと伝えている。一方、ドイツでは2017年12月12日、Katjes Fassin GmbH(菓子企業)が、BITCOIN名で商標登録が認められていることが分かった。

現在まで、BITCOIN商標の権利を侵害してトラブルになった事件はなかった。日本を含めて今後、BITCOIN商標権が、何らかの争いを招く可能性は否定できない。米国の非営利団体ビットコイン財団は、BITCOINの著作権侵害をしないよう個人や企業に訴え、2015年1月に「BITCOINの用語そのものは、個人や団体の知的財産権であってはならない」との考え方を明白に示している。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

参考
cryptovest
Bitcoin.com

現在のビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート