なぜBitmainはプライバシーポリシーを変更、情報開示の推進をするのか?新ポリシー発表の背景を解説

5183

編集部ピックアップ

なぜBitmainはプライバシーポリシーを変更、情報開示の推進をするのか?新ポリシー発表の背景を解説

マイニングハードウェア販売会社のBitmain(ビットメイン)が新しいポリシーを公開しました。

参考:Bitmain公式

これについての要点や背景を解説します。

Bitmainが発表したプライバシポリシーについて

自社で保有しているハッシュレートを毎月公開

まず、Bitmainは自社で採掘しているハッシュレートの割合を、各アルゴリズムごとにこれから30日ごとに毎月公開します。プールの中に自社保有のハッシュレートはどれくらいあるのか度々推測されましたが、この数字を明らかにする方針です。

▼Bitmainのハッシュレート下記で確認できます。
https://blog.bitmain.com/en/hashrate-disclosure/

現在保有しているハッシュレートは下記になります。

  • SHA256:1692.05PH/s
  • Ethash:339.69GH/s
  • Scrypt:44.19GH/s

ビットコイン(BTC)のグローバルのハッシュレートは現在44000PH/sほどで、今ビットコインキャッシュ(BCH)などに割り当てしているSHA256を全てBTCに割り当てをすると約4%のシェアになります。

シークレットマイニングをしないことの宣言

ASICを一般発表する前に、開発に成功した段階でハードウェアメーカーが自社マイニングすることをシークレットマイニングと言い、これを行うと大きい利益が得られるわけですが、原理的にはBitmainはこれをいつでもでき、批判されることもありました。

例えば、EthereumのASICが発表される前から完成品がBitmain社内にあったとして、それをマイニングに使えばAntminer E3はGPUより5倍程度のコストパフォーマンスが期待されることから、非常に有利にマイニングできます。

これは競争の観点からフェアではないとして、Bitmainは行わないとしています。

空ブロックは掘らない

マイナーによるトランザクションを含めない空ブロックの生成も度々指摘されていたことです。
意図的にブロックチェーンのトランザクションの処理を遅延させたり、ASIC Boostの利用の観点で批判されてきましたが、Bitmainはこれを今後行わないことを公式に宣言しました。

ASICのオーダーについて

新しいASICが発売されるとき、最初のオーダー情報はパブリックにするそうです。
この理由は、新しいASICが市場に出ることはネットワークにとって大きな影響を及ぼし、それをパブリックにすることで市場の透明性を保つためだと言います。

なぜBitmainはプライバシーポリシーを変更して、情報開示の推進をするのか

この背景については、いくつかの観点があると思います。
具体的には、Bitmainが株式上場を意識していること、レギュレーターや機関投資家視点でのビットコイン市場の健全性の2点です。

まず、1点目は、Bitmainは上場の可能性を示唆させています。
これに関しては、過去に筆者のブログで解説をしています。

参考:マイニングハードウェア販売最大手Bitmainが上場の可能性、その他マイニング関連の重要動向と考察(2018年6月~)

暗号通貨という巨大の市場を操作しているという疑惑は少しでも晴らしておくべきというところで、市場のトッププレイヤーとしてフェアでいることは正しいと言えます。

2点目のレギュレーターや機関投資家視点でのビットコイン市場の健全性ですが、ETFの可否など様々な場面で、「ビットコインは特定のプレイヤーに市場操作されていないか?」が議論になります。

これはTetherが槍玉にあげられることが一番多いですが、Bitmainも議論の対象になることはあります。その点で、シークレットマイニングをしないことの宣言や、ハッシュレートをどれだけ保持しているかの開示は重要だったと言えます。

いずれにしても、トッププレイヤーがこういった情報を自主的に開示することを迫られるまで、暗号通貨市場は成熟に近づきつつあるということだと思います。また、Bitmainはマイニングに限らず、暗号通貨の領域全体で様々なファンクションを狙いつつあり、こちらも注目されます。

筆者が運営する研究所サロンでは、このようなマーケットの示唆から、業界のビジネス分析、技術解説、その他多くの議論やレポート配信を行なっています。ご興味ある方はぜひご利用ください。

▼平野 淳也 研究所サロン
https://junyahirano.com/salon_/subscription/

関連
中国がビットコイン、イーサリアムマイナー排除を開始。長期的な影響と利点とは
2017年末のビットコイン(BTC)高騰は市場操作だったのか?テキサス大学研究者が分析

編集部ピックアップ

マルチシグ管理の安心・安全ウォレット