ブロックチェーン技術×サイバーセキュリティ対策の相性、活用例を紹介

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ブロックチェーン技術×サイバーセキュリティ対策の相性、活用例を紹介

アメリカの大手企業であるゼネラル・エレクトリック社(GE/General Electric)は、エネルギー・電化製品・軍事産業など非常に多角的な分野に進出している。そして、サイバーセキュリティに強みを持つ新興企業であるセージ・セキュリティ(Xage Secuity)に出資を行ったことでも知られている企業だ。

本稿では、GEベンチャーズ(GEのベンチャーキャピタル部門)から出資を受けたセージ・セキュリティ社のブロックチェーンに対する取り組みや、ブロックチェーン技術×サイバーセキュリティ対策に関して考察を行った。

セージ社(Xage Secuity)が取り組むブロックチェーン活用サービス

セージ・セキュリティ(以下:セージ社)は、インターネットに接続された産業機器のサイバー攻撃に対してブロックチェーンを用いて強力なシステムを構築することを目的としている。

政府が危険視しているサイバー攻撃は近年増加しており、過去には米政府に関連する機関でも重大なサイバー攻撃を受けたこともある。2018年に入り、国土安全保障省(DHS)と連邦捜査局(FBI)は、ロシア政府が重要なインフラストラクチャーのネットワークを傷つけていると警告をした。また、ランサムウェアの登場によりサイバー犯罪者は産業機器を遮断したうえで、利益を得ることが可能になった。

こういった事例もあってからか、セージ社は、各マシンのデジタルフィンガープリント認証ができるデバイスを分散型ネットワーク上に作成するため、ブロックチェーンを活用すると発表している。分散型システムにより、単一のデバイスの異常が起きても問題なく検出される。加えて、ハッカーが集中化されたネットワークを介した攻撃の拡散という事態も防ぐことができる。

大手企業から期待されるセージ社のブロックチェーンシステム

アップル社(Apple)で働いていた経歴をもつ、セージ社のダンカン・グレートウッド(Duncan Greatwood)CEOは、「IoT技術が成功するために、産業システムにおける包括的なサイバーセキュリティの強化・拡大させる必要があります」と述べており、サイバー攻撃に対するシステム構築に緊急性を意識していることがうかがえる。

セージ社の顧客には、NTTコミュニケーションズ、GE Renewables、GlobaLogixなどがあり、出資企業はGEベンチャーズだけでなく、March Capital Partners、City Light Capital、NexStar Partnersといった大手企業もいることから、ブロックチェーンによる産業機器の保護・サイバーセキュリティ対策は広がっていくことが期待される。

同社は新興企業のうち一社だが、大手企業が出資をしていることから同社がもたらす(ブロックチェーン活用の)技術は注目されており、開発状況次第ではすぐに実装される可能性もあるだろう。

ブロックチェーン×サイバーセキュリティ対策

サイバー攻撃に対する対策は、非常に重要なものである。公共・民間に関わらず、個人情報が漏洩するような企業や政府は信用に値しないと評される為だ。実際に、仮想通貨市場でも取引所などでのハッキングは、起きる前の対策が不十分だからこそ起きてしまった、ともいえるだろう。

ブロックチェーンは、ビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨を構成する、革新的な技術として注目されてきた。しかし現在は、仮想通貨だけに使用されるのではなく、ブロックチェーンそのものが既存システムのデメリットを解消できる多くの可能性を秘めていることが、各業界の研究によって明らかになっている。

その為、サイバー攻撃に対しても攻撃を防ぐだけでなく、攻撃元および個人の特定、政府機関などとの連携といった対処も可能となっていくと予想できる。そして、既存のシステムに頼りがちな企業がサイバー攻撃への対処として、ブロックチェーンに切り替えていくのかに関して、注目度は高いといえるだろう。

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参考
Globenewswire
GE Ventures
CCN

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