香港の企業が円を基軸としたステーブルコイン発行へ、約14億円の資金調達計画発表

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香港の企業が円を基軸としたステーブルコイン発行へ、約14億円の資金調達計画発表

香港のブロックチェーンファンド企業が、円固定のICOトークンを発行して、1億香港ドル(約14億3,000万円)を調達する計画を発表した。

サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)が伝えた(2018年9月18日付)もので、計画を発表した企業は資産約15億ドル(約1,700億円)のGrandshores Technology Group(以下Grandshores)。

ステーブルコインは2018年末から19年初めに発行予定

同紙によると、1億香港ドル調達の目的は、価値の変動を受けにくいステーブルコイン創設を目指して、取引関係者やその他仮想通貨ユーザーに円と連動したコインを提供するプロジェクトを起こすことである。

Grandshoresの共同創業者であるヨンジー・ヤオ氏(Yongjie Yao)は、このプロジェクトは日本のある銀行(銀行名は明らかにされていないが、中堅銀行だという)との共同事業であり、18年末か19年初めに発売するステーブルコイン(コイン名未決定)を発行するという。ヤオ氏自身は、杭州市政府から銀行業を認可されたファンドHangzhou Grandshores Fundの創設者でもある。

ヤオ氏は「仮想通貨取引事業者と交換所が、これらステーブルコインの潜在的な買い手となる」と述べ、Grandshoresは円固定だけでなく、一連の法定通貨固定のステーブルコイン開発を目指している。

ドル固定のTether(USDT)建てで発行するステーブルコインのプロキシ

Grandshoresによると、円固定のステーブルコインの資金調達ラウンドは、ドル固定のTether(USDT)が、ステーブルコインとして多くの仮想通貨取引所上で取引されているように、物理的にドル紙幣のプロキシ(代用通貨)としての役割を果たすことになるという。円固定のトークンは、そのTether(USDT)建てで発行される予定だ。

円固定ステーブルコインの需要は大きいと評価されている。Tether(USDT)は、その安定した価格が理由で、特に仮想通貨のデイトレーダーの間で人気が高く、新たに円固定ステーブルコインの利用が進む際、どれほどの需要が生じるか興味深い。Grandshoresは、Tether(USDT)建てのICO募集によって、中国以外の有力投資家を引き付ける戦略もある。

ヤオ氏は、ブロックチェーンが今後3から5年以内に主流になるとの考え方を示し、「われわれはブロックチェーン技術革命の次の段階に入ろうとしている。それはコンピューターOSがMS-DOSからMS-Windowsに移行したと同種の段階となるだろう」と説明した。

仮想通貨とブロックチェーンに投資を続ける企業

ステーブルコインの拡散は、大きな価格変動なしに仮想通貨技術(例えば瞬時の国際決済など)の主たる利点を利用できるようになる、重要な1段階として理解されている。

ヤオ氏は、世界第2位のビットコイン・マイニングリグのメーカーである中国のCanaan (カナン)に2015年以来1億700万元を投資している。Canaanは10億ドルの資金調達中であり、香港証券取引所に上場申請中している。

Hangzhou Grandshores Fundは、Grandshores Techonology Group傘下のファンドと共に、中国以外のブロックチェーンと仮想通貨のプロジェクトに5億元(約82億円)を投資している。これらプロジェクトの投資先は、オープンソースの仮想通貨Zcash(ZEC)をはじめブロックチェーン・スタートアップ企業のGX Chain、ブロックチェーンベースのソーシャルメディアネットワークのONOなど。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
South China Morning Post

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