ブロックチェーン技術の普及を妨げている障害がある?5つの要因を整理

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ブロックチェーン技術の普及を妨げている障害がある?5つの要因を整理しよう

五月雨まくら(@samidare_makura)です。
ブロッチェーンの分散型ネットワーク(P2P)参加者により取引に対する信頼が付与されるという性質はとても興味深く、大きな可能性を秘めています。例えば、ファイナンス、デジタル著作権管理、投票システム、サプライチェーンマネジメント(SCM)、およびその他多くの分野に恩恵をもたらすでしょう。

一方、少し現実的に考えると、ブロックチェーン技術が社会に浸透するためにはいくつかの障害があります。重要なことは、それらの障害をしっかりと認識して明らかにすることです。もしそれができれば、技術が導入される以前に対応することが可能であり、将来的にブロックチェーンのエコシステムにとってプラスになることは間違いありません。

このことを念頭において、ブロックチェーン技術の採用を阻む5つの障害について解説します。

誇大宣伝(Hype)

仮想通貨の世界では誇大宣伝(Hype)が日常茶飯事です。ブロックチェーン技術を利用する提案は、必ずしも全ての問題の解決に繋がるとは限りません。事実、現行のシステムをブロックチェーンに基づくシステムに置き換えたとしても、ほとんど効果が得られない分野も数多くあります。

なぜそれらが問題になるのでしょうか?なぜなら、誇張された見通しが実現されなかった時、結果として生じる信頼性の喪失は、たとえ、誇大宣伝にならないように、よく考えられた仕組みを投資家に、よくデザインされた製品を市場に、提供しているブロックチェーン起業家にとっても、大きな痛手となるからです。

ブロックチェーンの完全性が損なわれた場合

「ブロックチェーンには絶対的な完全性があり、決して改ざんされることはありません」という意見は幾分、大雑把な議論でしょう。まず、ブロックチェーンは一つではありません。ブロックチェーンは数多く存在しており、それぞれ違いがあります。さらに、ブロックチェーンの完全性は、将来的に損なわれる可能性も否定できません。

例えば、ビットコインのネットワークでは、単一のエンティティ(entity)が処理能力の50%以上を制御しないという前提のもとに設計されています。しかしそれらの前提は成り立たなくなるかもしれません。

数年あるいは数十年にわたり、完全性を必要とする応用例(財産所有権など)に対してブロックチェーンが利用されることを踏まえれば、中長期的にネットワークが堅牢に維持されることを保証する仕組みが必要になります。また、もしブロックチェーン技術に不可欠である完全性が失われた場合、どのように対処するかを考える必要があります。

ホワイトペーパー1枚で数億ドルを調達するICO

ICO(Initial Coin Offering)は、昔ながらのベンチャーキャピタル(以下、VC)による資金調達のいくつかのステップを回避して、ブロックチェーンに基づき資金を調達する方法として注目を集めています。しかしながらVCによるデューデリジェンス(適性審査)などは、投資家のROI(投資利益率)の向上において重要な役割であったはずです。

さらに懸念すべきことがあります。それはICOで調達される資金の金額です。それは時に、企業が本当に必要とする資金額とICOで調達する資金額に大きな差があることがあります。スタートアップ企業があまりにも大きな資金を調達すると意外な落とし穴があります。その傾向とは、

  • 財務規律がきちんと整備されない
  • 必要以上の人員を雇用してしまう
  • 製品開発へのリソース投入が疎かになる

などです。

ソフトウェアのスタートアップ企業は、製品を開発して市場でローンチするために数億ドルもかかることはありません。ホワイトペーパー 一枚で数億ドルを調達するICOは短期的には企業の創始者を祝福しますが、プロジェクトが有言実行されないと、投資家からは見放されます。

勿論、すべてのICOが悪いわけではありません。しかし、VCによるデューデリジェンス過程を乗り越えたスタートアップでもほとんどは失敗に終わります。要するに、ICOの成功率はさらに低いと現実的に考えるべきです。

法律や規制の落とし所を考える

法律や規制は時によってはイノベーションを妨げる可能性があります。しかし、ブロックチェーン技術に法律や規制が必要ないとう主張は現実性を欠きます。ブロックチェーン技術は、既存の法律や規制の枠組みの中で、送受金、契約の締結、証券の発行など、に利用されています。これらの枠組みはしばしば数十年前のものであり、今日の技術には適合しない可能性があります。

したがって、ブロックチェーン技術に長けた有識者は、立法機関や規制当局と連携して彼らが技術的意義や応用事例について理解できるように説明することが重要であり、イノベーションを阻害せずに支援する方法で法律や規制が制定されることが望ましいでしょう。

サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティはブロックチェーン技術にとって重要なトピックの一つです。なぜなら、従来の方法に加えて、ブロックチェーン技術の変化は速く、サイバー攻撃の対策も次々と新しくなるからです。ブロックチェーンのシステム、サービス、アプローチは、ほぼ毎日開発され展開されています。ブロックチェーン技術のサイバーセキュリティを構築する人たちは難しい対応を余儀なくされています。

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参考:Forbes