ブロックチェーンのプライバシー強化を進めるプロジェクト

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ブロックチェーンのプライバシー強化を進めるプロジェクト

分散型のネットワークを構築する上で、ブロックチェーン技術は欠かせない存在となってきている。ビットコイン(Bitcoin)ネットワークを維持するためのブロックチェーン技術を考えると、その性質上、取引データは1つのパブリックな台帳に刻まれ、誰でも確認することができる。これがビットコインを信頼できる点の1つだ。

しかしその性質上、ブロックチェーンに刻まれるデータは完全なプライバシーを保たれたものではない。ブロックチェーン技術で完全に分散化されたソリューションを構築するならば、プライバシーに焦点を当てる必要があると考えられる。ブロックチェーンのプライバシーは、今どのように進んでいるのだろうか。

アイオーテックス(IoTeX)

IoTexイメージ
出典:IoTeX

アイオーテックス(IoTeX)は、モノのインターネット(IoT)のためのオートスケーラブルでプライバシーを重視したブロックチェーンインフラストラクチャ。物理的な世界をブロックごとに接続することにより、自律型デバイスの調整を大衆にもたらす。超高速のRoll-DPoSコンセンサス、および軽量のプライバシー保護技術を含むブロックチェーン3.0の最先端を推進する。

IoTは大規模な普及には程遠く、スケーラビリティの低さ、運用コストの高さ、プライバシーの懸念、機能的価値の欠如という問題からユーザーをエコシステムに引き込むキラーアプリケーションがない。トークンエコノミーをIoTに導入することにより、スケーラビリティ、プライバシー、分散性、新しいIoTアプリケーションやエコシステムを実現するための次世代IoTブロックチェーンプラットフォームとなる。

ニューサイファー(NuCypher)

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出典:NuCypher

ニューサイファー(NuCypher)は、分散鍵管理システムおよび暗号化されたアクセス制御サービスプロジェクト。プロキシを使用して、パブリックコンセンサスネットワークの任意の数の参加者間でプライベートデータを共有できるようにする。従来の対称鍵または公開鍵ではできない方法で復元化権限を委任するための再暗号化スキーム。

Amazon CloudHSM、Google Cloud KMS、Azure Key Vault、True Vaultなどのサービスでは、サービス提供者に対して大きな信頼を置く必要があり、セキュリティが重要なアプリケーションにとって適切とは言えない。ビットコインやイーサリアム(Ethereum)などのパブリックネットワークは、この集中化問題に対する解決策となりうる。しかし、操作を実行する上でパブリックネットワークの限界がある。

NuCypher KMSは、分散ネットワークを使用し中央サービス・プロバイダへの依存を取り除く。これにより、パブリックブロックチェーンで秘密情報を安全に保存および操作できるようになり、分散アプリケーションで個人データを扱うことが可能となる。主なユースケースは、KMS-as-a-service、分散型デジタル著作権管理、有料視聴ストリーミング、暗号化デジタルコンテンツ市場、プライベートマルチユーザーチャット、プライベートで共有可能なファイルストレージ、ブラインドID管理など。

エニグマ(Enigma)

エニグマイメージ
出典:Enigma

エニグマ(Enigma)は、ネットワーク内のシークレットノードが暗号化データを計算実行する。分散型の安全な計算プロトコル。Enigmaでは、トランザクションだけでなく、あらゆる種類の計算にプライバシーをもたらし、ブロックチェーンにおけるプライバシーとスケーラビリティを解決する。

Enigmaの革新的技術は、データのプライバシーを保護しながら、そのデータ上で計算の実行を可能にすること。2015年にEnigma共同創設者であるガイ・ジースキンド(Guy Zyskind)氏の論文で紹介された。

Enigmaにおいて、スマートコントラクトはシークレットコントラクトとなり、入力データはコードを実行するネットワーク内のノードには隠されたままになる。データ保護機能を追加しない限りブロックチェーンの実用性は非常に限られ、Enigmaの技術は分散型の未来に欠けている部分を強化するとされている。

個人データやヘルスケア、ゲノミクス、クレジット、IoTなどの分野においてEnigmaのプライバシー保護技術を活用し新たな市場を生み出すことが可能となる。

ゼットコイン(Zcoin)

Zcoinイメージ
出典:Zcoin

ビットコインでは、すべての取引は公の台帳で管理される。ソーシャル・ネットワークトポロジの分析など、ソーシャルネットワークのプライバシーを破るために使用されるのと同じタイプのメカニズムをビットコインネットワークに応用することができることが分かっている。

ゼットコイン(Zcoin)を使用すると、匿名性は大幅に向上する。何千ものスケールになることができ、分散型で公平なセキュリティMTPを実装する。

プライバシー強化でブロックチェーンの活用幅が広がる

分散ネットワークにおいて、ブロックチェーン技術は有力な技術である。しかし、現在のブロックチェーン単体では、プライバシーに欠けている部分があり、本当に分散化されたネットワークを築くためには不十分である。ブロックチェーンのプライバシーを強化することで、分散ネットワークとしての活用幅が広がる。

単にブロックチェーンプライバシーといっても、どういうソリューションで使用するものなのかによって、アプローチが異なる。上記にあげたプロジェクトはそれぞれのアプローチから、ブロックチェーンプライバシーを構築している。次世代のインターネットと呼ばれる分散型WEBの構築は、プライバシーの対応が1つのキーとなるように思う。

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参考
IoTeX
NuCypher
Enigma
Zcoin