オンライン(インターネットなど)における安全対策は、ITにおける長年の課題であり、仮想通貨においても非常に重要な要素である。ここ数年においては、デジタル資産を保有している人々も多くなってきており、セキュリティの高さは仮想通貨などのデジタル資産を守る為に常に高いことが必要とされている。
しかし、セキュリティ対策が進化してもハッカーによるサイバー攻撃も増加するなど、ともに進化し続けている状況だ。本稿では、ハッカーによる攻撃に対して、ブロックチェーンがどのように対処していくのかについてを考察した。
ブロックチェーンがサイバー攻撃を防ぐセキュリティに
年々、ハッカーによる仮想通貨のハッキング被害は増加している。仮想通貨の価格が下落傾向だとしても、一定数の取引を行うユーザーは常に存在しており、投資方法として仮想通貨取引が広がりつつある為、今後も新しいユーザーや投資家の増加が見込まれるだろう。
ハッカーによる攻撃の手段は、公式サイトを装ったフィッシングサイト、仮想通貨取引所を語ったダイレクトメール、DDoS(ディードス)攻撃、端末(スマホなどの)乗っ取りなど多く存在する。
ブロックチェーン技術は、こういった多くのサイバー攻撃を防いでおり、データ保護やネットワークの安全といった信頼性を高める役割を持つ。ハッカーからデータを保護するだけでなく、潜在的な不正(改ざん)を防ぎ、データが盗まれたり破損したりする可能性を減少させる最善のツールの一つとなり得るだろう。
ブロックチェーンを破壊するためには、グローバルネットワーク内のすべてのユーザーのPCに保存されているデータを破壊する必要がある。何百万台ものPCでネットワークが構築されており、それぞれが(一部またはすべての)データのコピーを格納している状態だ。
加えて、ネットワーク上のユーザー数が増加すればするほどデータは分散され、停止することそのものが不可能な状態となる。その為、ブロックチェーン技術におけるセキュリティは堅固だと言える。
DDoS攻撃の防止とブロックチェーン技術
サイバー攻撃のひとつにDDoS(ディードス)攻撃というものがある。これは単純なもので、大量の迷惑メールなどをWEBサイトに送信し、サーバーのデータ処理能力の限界を超えてリクエストに対応出来なくする。その威力は絶大であり、Twitter、Spotify、SoundCloudなどを対象に攻撃が行われており、一時的とはいえサイバー攻撃の威力を知らしめる結果となった。
ブロックチェーン技術を実装した場合、DNS(Domain Name System)を完全に分散し、多数のノードにコンテンツを配布、するとハッカーが攻撃することをほぼ不可能にできるだろう。ブロックチェーンを使用してデータを保護することにより、システムはすべてのノードを同時に破壊か占領しない限りハッカーは自由にできないと考えられる。
また、DDoS攻撃の発生を防ぐためにブロックチェーンを導入している企業もある。 たとえば、ブロックチェーン・スタートアップ企業のBlockstackは分散されたDNSオプションを提供する。このブロックチェーン技術の目的は、Webサーバー、IDシステム、およびデータベースの管理からすべての第三者を削除することによって、世界全体のWebを分散化することである。
セキュリティ分野においてはブロックチェーン技術の有用性は認められつつある。その為、ブロックチェーン技術を基軸としたセキュリティ体制が築かれることもそう遠くはないだろうと考える。
関連
・ブロックチェーン技術×サイバーセキュリティ対策の相性、活用例を紹介
・ブロックチェーン技術がユーザーデータ保護に活躍、セキュリティ業界をリードするAcronisの取り組み
参考:Steelkiwi