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ビットコイン(BTC)価格下落の影響を受けるマイニング業界
ビットコインの価格の下落の影響により、マイニング関連のプレイヤーも収益が苦しい状況になっています。
下落トレンドの間、ビットコインのハッシュレートは上昇トレンドにあり、上下を繰り返しながらも市場最高値のハッシュレートを更新しています。
このように価格は下がりながらも、全体のハッシュレートが上昇していると、同じハッシュパワーを昨年から投下し続けてたプレイヤーに関しては、
- 取得できるビットコインも少なくなり(全体の中でシェア割合が落ちているため)
- その取得したビットコインの価格も下がっている
といった二軸で収益性が下がっています。
この点については、筆者のブログでより詳細な解説をしています。
参考:ビットコイン価格下落に対する現在のマイナーの状況。そしてBitmainなどASICメーカーは何故上場を目指すのか?
NvidiaのGPUは、マイニング需要の激減によりGPU売上は減少
昨年、Ethereumのマイニング需要でGPUを多く販売していたNvidiaのマイニングの需要の売り上げは大幅に減少をしたことが決算で発表されました。
来期以降は、マイニング関連でのGPU需要はゼロを想定しています。
なお、Nvidiaのその他セグメントは強く、未だにゲーミングは伸びており、データセンターやプロフェッショナル・ビジュアライゼーションも堅調です。
昨年の暗号通貨市場が高騰していた一時期、一部の投資家には、「なんでASIC開発をやらないんだ」くらいに煽られてすらいましたが、手を出さなかったのも今になっては正しい判断と言えるかもしれません。
クラウドマイニングサービスのGenesis Miningは契約形態を変更
また、クラウドマイニングサービスのGenesis Miningも、今回の下落相場を通してアナウンスを出しています。クラウドマイニングサービスは、エンドユーザーは自分でASICやGPUなどのハードウェアを購入・廃部をすることなく、入金をしたその日から契約日となり、ハッシュパワーを購入できるサービスです。
昨年の高騰時には、多くのユーザーがハッシュパワーの購入に殺到しました。
公式のブログによると、現在、グローバルでマイニング環境は厳しいものになっており、ハッシュパワーホスティングは3つのファクターによって左右されると言います。
1つはインフラストラクチャーで、より効率の良いエネルギーを取得でいるようにGenesis Mining社は努力しているとしていますが、残りの2つのファクターであるマイニングディフィカリティとビットコインの市場価格はコントロール出来ない要素であるとしています。
このことから、Genesis Mining社で契約している一部のユーザーは、メンテナンスフィーに対して赤字になっており、それらの顧客のコントラクトを終了するとアナウンスをしています。
また、今後の契約形態を下記の通り変更させています。
- 1TH/sあたり285ドルの販売価格を180ドルへ引き下げ
- メンテナンスフィーとして日ごと$ 0.14の手数料に引き下げ
- 契約形態を5年で固定、途中解約はなし
という変更を行いました。
このように各マイニング関連のプレイヤーは経営体力を試される状況になっています。
筆者が主催しているd10n labで配信をしたレポート全体では、より電気代が安い地域のマイナーの状況、BitmainをはじめとしたASICメーカーは今どうして一斉に上場をしようとするのか、様々な数字をもとに仮説をレポートしています。
▼d10n lab 未来を思考するための離合集散的コミュニティ
https://d10nlab.com/
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