イーサリアムもハードフォーク?Casper移行のインセンティブを解説

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どうも墨汁うまい(@bokujyuumai) です。2018年1月1日、新年そうそうにイーサリアムネットワークは最終的に現在のプルーフ・オブ・ワーク(以下、PoW)アルゴリズムのEthashから移行する予定であるプルーフ・オブ・ステーク(以下、PoS)のCasper(キャスパー)のテストネットα版をリリースしました。

この影響で3ヶ月ぶりにイーサリアム価格は0.065BTC、日本円では市場最高価格を更に更新し、11万円を記録しました。本項ではCasper導入時に懸念されるイーサリアムの分裂について解説します。

CasperとPoWの問題点については下記を参照してください
関連記事:イーサリアムのPOS”CASPER”が解決するPOWの問題

イーサリアムは現時点でβ版

イーサリアムといえばスマートコントラクトと頭に浮かぶでしょう。ですがスマートコントラクトはイーサリアムの目指すワールドコンピュータの主要機能の一部であり、ハードフォークをし、開発を行う前提であるため常に新しいチェーンへ移行するインセンティブを与えなければなりません。

PoSへ移行するにはハードフォークが必要であり、潜在的なイーサリアムの分裂懸念を誰しもが考えるでしょう。

ハードフォークとは?

現在ビットコインを中心としたフォーク芸と言われるチェーンのコピーにより、例えばデベロッパーがおらず、プロジェクトとして存続ができない様な無価値なコインが多く生成されています。

本来ハードフォークとは既存のコンセンサスアルゴリズムを変更し、新しいチェーンへネットワーク全体が移行することによってイーサリアムの様な大きな目標を掲げるプロジェクトは新しい機能を追加したり、既存の物を変更変更します。

例:Zcashは次期メジャーアップデート(ハードフォーク)「Sapling」でZcashベースのトークンを発行できる機能を追加

問題点とリスク

ハードフォークはすなわち既存のチェーンを放棄し、新しいチェーンへと移ります。イーサリアムの例を見ると、10月16日に行われたメトロポリスPt.1ビザンチウムハードフォークで旧ホームステッドチェーンから新しいビザンチウムチェーンへとエコシステム全体で移動しています。

 


出典:イーサリアム・ジャパン

対して97%のコンセンサスを得られたにも関わらずThe DAO事件によりハードフォークをした際は、イーサリアムの不変条件を変更したハードフォークであったため、旧チェーンが息を吹き返し、分裂という結果となってしまいました。この様にハードフォークを行う際には新しいチェーンへ移るというインセンティブが重要であり、ハードフォークが前提で開発が勧められているイーサリアムは常にリスクを抱えてるということになります。


出典:イーサリアム・ジャパン

またリスクの一つとして、2016年11月 のスパムアタックの修正ハードフォーク後にイーサリアムに起きたコンセンサスバグによるGethとParityのフォーク。2017年11月 のSegWit2xフォークが失敗しノードが凍結した事件など十分なテストを行っていないことによるネットワークの致命的なエラーを引き起こす可能性があります。

新たなチェーンへの移行インセンティブ

イーサリアムは最低でもメトロポリスPt.2のコンスタンティノープルと最終版となるセレニティと2回ハードフォークを控えています。

Casperへの移行はPoWとのハイブリッドを経てセレニティで最終的な実装となると考えられており、Casper移行時にイーサリアムクラシックの様にエコシステム全体のコンセンサスが取れず分裂してしまうのではないか?という懸念を良く聞くことがあります。

ディフィカルティボム

ディフィカルティボムとは名前の通りマイニングのディフィカルティ(難易度)が指数関数的に上昇、ブロックタイムがどんどん遅延していきプロトコルが凍結するというものです。

これはイーサリアムがハードフォークを前提としてエコシステム全体が新規チェーンへ移動するインセンティブを与えているものです。

出典:イーサリアムジャパン

ホームステッド時も同様にディフィカルティボムの影響(約17秒~)を待った後にフロンティアから移行、ビザンチウム時には通常の約15秒から2倍となる約30秒まで上昇した後ハードフォークを行いました。

つまりCasperへの移行ハードフォークで毎回ディフィカルティボムの影響を利用することで新しいチェーンへの移行インセンティブを正しくエコシステム全体に与えることができます。

補足:イーサリアムクラシックはECIP-1010のダイハードフォークでディフィカルティボムを凍結しているためハードフォーク時には上記リスクを伴うことになります

EIP-186とエコシステムの選択

Casper移行時に分裂懸念がされた理由の一つとして「既存のマイニングリグによるマイニングができなくなる」というものでした。

ここで重要なのはビザンチウムでEIP-186のマイニング報酬減少を既にイーサリアムネットワークが受け入れているということです。

現在のマイニング報酬は5ETHから3ETHへとEIP-186により40%の報酬が減少しており、最終的に1ブロックの報酬は1.5ETHへと減らすというものです。

つまりマイニング報酬だけでみればビザンチウムハードフォーク時に分裂しなければCasper移行前に分裂したとしても低いマイニング報酬しか維持できず、分裂するインセンティブはほとんどないということです。

結論と考察

上記理由からイーサリアムとイーサリアムクラシックの様なコミュニティの分裂は起きない事がわかります。ですがフォーク自体は現在のフォーク芸と同様に誰でも行うことができ、破棄するはずの元チェーンにマイナーやエコシステムの一部が残れば分裂することはありえます。

ただし、放棄されたチェーンを存続させるにはマイニングのディフィカルティの関係からマイナーの貴重なリソースを価値がつくかわからないものへ割くこととなるため分裂するインセンティブは圧倒的に低いでしょう。

マイナーとしてはイーサリアムと同様にマイニングリグを使用し、ゼロ知識証明を基にした技術力のあり将来的に期待できるZcashへ移行するインセンティブの方が高く、Ethashを採用したチェーンをマイニングしたい場合ならば破棄するチェーンから更にフォークするということを行う方がまだ現実的であることがわかります。

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