デジタル人民元約3億円分が蘇州市民10万人に配布!運用テストに中国EC大手も参加

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デジタル人民元約3億円分が蘇州市民10万人に配布!運用テストに中国EC大手も参加

中国人民銀行(PBOC)は、デジタル人民元(CBDC)のテストを目的として、江蘇省蘇州の市民10万人に2000万人民元(約3億1,800万円)を配布する準備を進めているとのことです。配布されたデジタル人民元は中国最大級のECサイトである「JD.com」を含む1万もの店舗で決済が可能となります。

12月28日まで利用可能のデジタル人民元

12月4日に行われた蘇州市の発表によると、10万人の蘇州市民へのCBDC配布が進められています。サウス・チャイナ・モーニングポストによると、12月11日から蘇州市公共のサービスアプリ「蘇州道(Suzhoudao)」を介して抽選が行われ、当選者にはデジタル通貨の形で200人民元(約3,200円)が配布されます。今回のCBDCは年末ショッピングフェスチバル「ダブル12(Double Twelve)」向けに配布されており、12月27日まで指定の商店などで利用することができます。

また、今回の当選者は、PBOCが「デュアルオフラインウォレット」と呼ぶ電子決済ウォレットを利用する最初のモニターになります。このウォレットはインターネットへの接続がなくともデジタル人民元での送金が可能となっており、既存の紙幣や硬貨をデジタル人民元に置き換えることができるとされています。

大手EC企業のJD.comがテストに参加

テストに参加する約1万の店舗の中で、中国最大手のオンライン小売業であるJD.comの参加が特に注目されています。JD.comはアリババ(Alibaba)と並ぶ電子商取引(EC)企業で、11月5日にJD.comはデジタル人民元を受け入れる中国初のオンラインプラットフォームになったと発表しました。また、JD.comのフィンテック部門であるJD DigitsもWechatの公式アカウントにて、オンラインモールで商品決済手段としてデジタル人民元を受け入れる旨の投稿をしています。

今回のテストは、10月に実施された深センのテストに次ぐものですが、規模が倍以上に膨れ上がった大がかりな試みとなっています。深センで行われたテストでは、5万人の市民に1,000万元(約1億5,900万円)が配布され、3389の店舗が参加しました。

デジタル人民元がもたらす効果と今後の動き

10月に行われた深センでのテスト運用において、中国中信銀行のチーフエコノミストであるリャオ・クン(Liao Qun)氏は、デジタル人民元によってデジタル通貨の利用は増加していくと述ました。また、香港恒生銀行の同職であるダン・ワン(Dan Wang)氏も、配布されたデジタル人民元が購買を促すなどの効果を述べ、「この1,000万元配布プログラムは、少なくとも5,000万元に値する経済効果を生み出すだろう」と語っています。

PBOCのファン・イー・フェイ(Fan Yi Fei)副総裁は、デジタル人民元の実用に向けて、さまざまな試験的取引に当時11億人民元(約174億円)相当が利用されていると語りました。その例として、新型コロナウイルス対応に従事する5,000人の医療・ヘルスケアワーカーを対象に、深セン市からデジタル人民元による報酬が無償配布されています。

今後、2022年冬季オリンピックの会場となる北京などでのCBDC利用が予定されていますが、中央銀行からはCBDCの本格導入に関する公式スケジュールはまだ不明のままになっています。

参考
Chinese e-commerce platform JD.com kicks off digital yuan trial at Double Twelve shopping festival
China Airdrops Digital Yuan Worth $3 Million — 10,000 Stores Will Accept It
Digital Yuan Giveaway: China’s Shenzhen City Hands Out 10 Million Yuan in Central Bank Digital Currency

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長瀬雄壱
フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者。在職中は社会部、科学部、外信部で記者活動を行なう。特に外信部では、10年余り海外特派員(3カ国)を務め、国際関係、政治、経済、社会、戦争取材など、あらゆる分野で記者活動を続けた。翻訳業務経歴は約50年あり、今でも海外ニュースを深くモニターしている。