仮想通貨取引を容認?習近平主席「ブロックチェーンは新産業革命」と発言、規制緩和への期待高まる

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仮想通貨取引を容認?習近平主席「ブロックチェーンは産業革命」と発言、規制緩和への期待高まる※画像:paylessimages

中国の習近平国家主席が2018年5月28日、ブロックチェーン技術を「新たな産業革命」と位置付けて以来、仮想通貨取引の禁止政策を緩和するのではないかという期待が高まっている。

ブロックチェーンは、習主席の言葉で「飛躍的な進歩(発明)」をもたらす「新世代の技術」と位置付けられた。同主席は「21世紀の始まり以来、世界の科学・技術革新は、前例のない集中的な活動の時期に入った。新しい科学・技術革新と産業(構造)変化の時期は、世界のイノベーションマップを再構築し、世界の経済構造を再形成しつつある」と宣言した。

中国は2019年末までにブロックチェーン開発の基準策定完了目指す

ブロックチェーンの最初にして最も知られたアプリケーションは、言うまでもなくビットコインを代表とする仮想通貨である。習主席の発言を受けて、仮想通貨に対する規制緩和が近いという声が上がるのも当然だろう。

習主席は特に「中国国家は2019年末までに、全国的にブロックチェーンの標準づくりを完了する」と述べ、具体的スケジュールまで示した。中国政府がリスク回避すべき緊急課題は、仮想通貨取引規制の緩い諸外国との競争に後れを取らないことであると指摘する中国メディアもある。

一部中国紙(GLOBAL TIMES)は「ビットコイン取引所を閉め出すことは、ビットコインにとって有効な結論ではない。ビットコン・バブルを恐れていては、中国はデジタル通貨革命の路線と決別することになる」と伝えている。

新産業革命を牽引するテクノロジーはAI、IoTそしてブロックチェーン

周知の通り、中国政府と人民銀行(PBoC)は2017年9月、仮想通貨取引とICOを禁止、仮想通貨取引所を閉鎖、民間銀行による仮想通貨仲介取引を禁じた。

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それから1年を経たずして、習近平主席は世界の経済構造を一変するテクノロジーとして、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)に加えてブロックチェーン・テクノロジーを挙げた。同主席は「21世紀の始まり以来、新世代の産業革命は、世界の経済構造を大きく変えた。AI、IoTそしてブロックチェーンが、一貫してアプリケーションの飛躍的前進をもたらしている」と称賛した。

仮想通貨取引禁止後も、中国政府やアリババ(Alibaba)、テンセント(Tencent)など国内コングロマリット(多種の事業を営む大企業)は、経済発展と世界的な金融構造を強化する可能性のあるブロックチェーンと非集中型プラットフォームの開発に注力してきた。習近平主席のスピーチの数日前、中国国務院は地方金融当局と国営研究センターに対して、ブロックチェーンの開発、展開、商用化を目指して、より多くの資産を割り当てるよう命じている。

関連:中国はブロックチェーン開発を加速する意向、政府の積極的姿勢の真意とは?

ブロックチェーン開発でも世界を席巻するか?

アリババ、テンセントが2017年11月に立ち上げたオンライン保険代理店の衆安保険(ZhongAn)は、ブロックチェーン、AI、クラウドなどを駆使して、保険、消費者金融、医療、資産管理関連の商品を開発している注目企業。最近は、100以上の病院と提携して、ブロックチェーン技術を利用する医療記録、財務情報、決済処理を請け負って成功している。

中国は2000年以来、金融引き締め政策をとっている。仮想通貨取引の禁止は、大局的に見ればこの政策の一環である。習近平主席と中国政府は、ブロックチェーンの長期採用に楽観的で、それはブロックチェーン開発推進政策や多額の資金割り当てなどに現れている。中国独自の仮想通貨Qtum、Vechain発売に見られるブロックチェーン・プロジェクトは、2017年以来世界の市場でも大成功を収めている。

Google、Facebook、YouTubeなどが、中国ではSNSサイトのWeChat(微信)や動画サイトYoukuなどに押されているように、中国政府はブロックチェーン開発でも世界を席巻する意欲を見せている。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
Bitcoinist
CCN