中国が反ブロックチェーンの意見を検閲し、ビットコイン教育をスタート

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中国が反ブロックチェーンの意見を検閲し、ビットコイン教育をスタート

現在中国において、ブロックチェーンに反する思想に対して検閲が強まっています。一方で、「習近平(Xi Jinping」の思想」を広めるために設計された、中国国内で1億人を超えるユーザーを抱えるアプリケーション「学習強国(Xuexi Qiangguo)」が、ビットコイン・ブロックチェーン・スマートコントラクトなどに関する教育コースを推奨し始めています。

ブロックチェーンのアンチ記事に対する検閲が強化

中国国家主席の習近平氏による、ブロックチェーン技術に関する強気の発言は、ニュースとして中国国内の各テレビ局で放映された他、新聞やWebサイトでも報じられました。

中国の仮想通貨とブロックチェーンに関する情報を発信するTwitterアカウント「Cnledger」は自らのツイートにて、「ブロックチェーン技術は詐欺だ」という記事が、「学習強国」のアプリ上で違法コンテンツとして規制されている様子を、スクリーンショットを引用して証明しています。

ブロックチェーンとビットコイン教育コースを推奨

アリババ(Alibaba)グループによって開発された中国系アプリケーションの「学習強国」は、ブロックチェーンとビットコインに特化した教育コースを推奨しています。このアプリは現在では1億人を超えるユーザー数を誇り、習近平思想のような政治教義について国民が学ぶツールとなっています。

また、無料オンライン学習プラットフォームの「学堂在行(Xuetangx)」でも、清華大学のブロックチェーン研究所の準研究員であるチェン・カン(Chen Kang)氏が講師を務める「ブロックチェーン技術入門(Introduction to Blockchain Technology)」と題されたコースを受講することが可能です。この講義ではブロックチェーン、分散化のコンセンサス、ビットコイン、スマートコントラクト、セキュリティ、ビッグデータなどを講義内容としています。

バックドアが仕込まれたプロパガンダツール

2019年1月に、共産党中央委員会広報部によってリリースされた「学習強国」は、中国内のAppleストアで最も多くダウンロードされています。中国政府はこのアプリを、習近平国家主席の政治哲学に関する記事やビデオクリップ、ドキュメンタリーなどを配信する教育ツールだと主張していますが、セキュリティ研究者は、アプリの中からバックドアともいえるコードを発見しています。

アメリカのオープン・テクノロジー・ファンド(Open Technology Fund)がドイツのサイバーセキュリティ会社であるキュア53(Cure53)と共同で発表したレポートによると、「学習強国」には、特権的なユーザーが任意のコマンドを実行できる、バックドアに似た仕組みが組み込まれていることが明らかになっています。もしコードが展開されると、特定の人物に管理上のアクセス権限が認められることになり、ソフトウェアのダウンロードやデータの書き換え、キーロガーのインストールなどが可能となります。

さらに「学習強国」はデバイス内の他のアプリケーションをスキャンし、ユーザー情報から使用環境、インストール済みのアプリケーション、実行中のログなどを収集後、さまざまな権限者の元に送信するという仕掛けを自動で追加するようになっていました。

Cure53は、Android版アプリケーションについても監査を行っています。AndroidOSは中国のスマートフォン市場で80%を占めるため、そのすべてのユーザーが「学習強国」を使えば、市民が特定の時間にどこにいるのかを、中国政府は瞬時に検出できることも確認されています。しかし、中国国務院情報局は中国政府の代理として、アメリカのワシントンポスト誌に対し、Cure53のレポートが報じているような機能は搭載されていないと強く否定しています。

参考
China Now Censors Anti-Blockchain Sentiment, Educates Public on Bitcoin
Analysis-Report “Study the Great Nation” 08.-09.2019※PDF形式

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