中国は消費市場でアリペイなど決済手段と統合して世界初のCBDC発行へ

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中国は消費市場でアリペイなど決済手段と統合して世界初のCBDC発行へ

中国は中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の開発と発行で、世界をリードしています。デジタル資産プラットフォームであるレジャー・ヴァルト(Ledger Vault)のアジア太平洋地域ヘッドのグレン・ウー(Glenn Woo)氏は最近、「中国のCBDCは、世界で初めて発行されるだろう」と予言しました。

中国のCBDC開発はスタバなど外国企業巻き込んでテスト中

ウー氏の予測では、中小規模の小売店での商取引の96%余りが現在、アリペイ(Alipay)もしくはウィーチャットペイ(WeChat Pay)を通じて支払われています。アナリストの多くは、中国がこのような商取引はCBDCと統合して決済する方向に調整中と見ています。

人民元と1対1交換されるCBDC開発プロジェクトは、中国人民銀行(PBoC)が2014年から進めているデジタル通貨電子決済(DCEP)であり、習近平主席がブロックチェーン技術開発を最優先にして進めているプロジェクトの1つです。デジタル人民元とも言われるCBDCは2段階の金融政策であり、第1は中銀発行の商業銀行向けCBDC 、第2は中国国民向けに流通する商銀発行のCBDCとなります。

ウー氏によると、中国ではすでに、外国企業のスターバックスやマクドナルドを含む19の企業が、蘇州、深センなど数都市を対象とするPBoCの初期的実地試験に参加しています。中国政府が国家規模で展開しようとしているプロジェクトのスピードは高まっています。同氏は「CBDCが実行される時が来ると信じている。それは最初に実行される政策の1つなる、最初でなくと世界的な真のCBDC現実のユースケースになる」と語っています。

決済プラットフォームは統合、消費者は変化に気が付かない?

ウー氏は微妙なニュアンスを持ってその内容を明かしましたが、このデジタル決済プラットフォームは中国政府の認可で発行され、これまでは中央政府の手が及ばなかった地方を含めて、政権の多くの政策目的と併せて、金融活動のほぼすべてを中央集権化する方針です。

ウー氏の予測では、CBDCは既存のデジタル決済プラットフォームに統合される予定です。これによって中国の経済活動に若干混乱が生じる可能性がありますが、政府としては国内の消費経済をより大きく管理し、動向を知ることができると次のように語っています。

「消費者の観点からすると、何が変わるのか必ずしも知りたいわけでもなく、何らの変化もなく進むだろう。彼らは今まで通り、て、ショッピング、タクシー利用、送金など、さまざま異なる目的にウィーチャットを利用する。何事もなかったようにシームレスに進み、誰もその違いを知ることもない」。

海外貿易にCBDCを受け入れるパートナーのインセンティブを提供か

国際的な観点からCBDCの導入について、ウー氏は中国が人民元で貿易上の決済を進める手段としてCBDCを利用するだろうと予言します。同氏によると、中国はCBDCを利用する決済を実現した貿易パートナーに対して、インセンティブを出すことになるだろうと語っています。

CBDCを国際決済に利用する分野は手始めに、特に中国からの輸入に依存している諸国との国際貿易に対して、CBDCの利用を確かなものにする政策を進めるのではないかと見られています。しかし、ウー氏はそのような政策が短期的に大成功するとは見ていません。米国はじめ世界では、景気後退が進み、保護主義的な政策が高まっていることがその理由です。

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長瀬雄壱
フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者。在職中は社会部、科学部、外信部で記者活動を行なう。特に外信部では、10年余り海外特派員(3カ国)を務め、国際関係、政治、経済、社会、戦争取材など、あらゆる分野で記者活動を続けた。翻訳業務経歴は約50年あり、今でも海外ニュースを深くモニターしている。