中国マイニング規制:仮想通貨と決別の動きは市場に影響を及ぼすのか?

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中国が仮想通貨と決別の動き

ビットコイン採掘量が世界の約80%を占める中国が1月10日、マイニング(採掘)業務の停止を命じました。2017年9月に、ICOと仮想通貨の国内取引を禁止したのに次ぐ、規制強化の総仕上げの始まりと受け取られています。

思えば、2017年末から2018年初にかけて、ビットコインは記録的な下落をしました。価格下落要因のひとつとして、中国の規制の動きがメディアを通じて一斉に世界に伝わったことだと言われています。

一般投資家の大多数はロング買い待ち

今度は様子が違うのでしょうか?私はそれでも、仮想通貨市場の行く末を比較的楽観視しています。そう思う訳を書く前に、CNBCのインタビューに応じた著名な資産家ウォーレン・バフェット氏の発言に注目しましょう。(1月10日 Bloomberg

仮想通貨は総じて悪い結末に至るだろうと、ほぼ確信を持って言える。それがいつ起こるのか、どのように起こるのかなどは分からない。ただし、これだけは分かっている。すべての仮想通貨について5年物の(ロング)プットを買うことができるなら、私は喜んでそうするだろうが、10セント分すらもショートにすることは決してしない

バフェット氏が言うように、仮想通貨の行き先に素人の私が口を出すのはおこがましい。問題は、バフェット氏の後段の「ロングプットは買い、ショートは手出ししない」というコメントです。

米国でビットコイン先物取引が(2017年12月に)始まってから1カ月半ほど経ちますが、短期の利益を狙う大手ヘッジファンドの目立った出番はまだありません。仮想通貨は根強い一般投資家のロングの買いで支えられているのです。一般投資家の決定的な市場離れはまだ起きていません。

中国の政策は資産バブル抑制とリスク阻止

2017年10月の中国共産党大会で権力を一段と固めた習近平国家主席は、その経済政策を「穏健な金融政策と積極的な財政政策を維持するとともに、資産バブルを抑制し、経済、金融上のリスクを阻止する」と、総括しました。

ビットコイン初め仮想通貨に対する中国の締め付けと規制強化の本当の目的は、「資産バブルの抑制」と「リスク阻止」なのです。ビットコインの取引やICOそのものを否定している訳では決してありません。

ビットコインの特徴は発行枚数限定と半減期のマジック

仮想通貨の多くは発行枚数に上限がありませんが、ビットコインの発行枚数は当初から2100万BTCまでと決められていますが、すでにマイニングされたビットコインは発行限度枚数の約80%にまで達しているとのこと。

残りのBTCが減っていけば、マイニングはそれだけ難しくなります。まさに中国のことわざ、「大海に落ちた針を探す」ことになります。これまでの予測では2040年ごろ、ビットコインは全量掘りつくされると計算されています。

一方、マイニングによって受け取れる報酬は、4年ごとの「半減期」で決められています。ビットコインが始まった2009年には、マイニング報酬は50BTCでしたが、2017年12月現在の報酬は12.5BTCになっています。

この数字を見れば分かりますが、論理的にも直観的にも、金と同じように埋蔵量が減ればビットコインの価値は黙っていても上がります。マイニングで作られるブロックは、約10分間に1つとされますが、埋蔵量が減れば、採掘する時間が徐々に長くなります。予想される次の半減期は2020年ごろ。半減期が近づけば、「買い」オファーが高まって、ビットコイン価格は間違いなく上昇します。

繰り返しになりますが、中国は仮想通貨そのものに反対してはいません。中国人民銀行はすでに独自の仮想通貨を試験的に運用しており、タイミングを見て国家統制のデジタル通貨を発行する可能性は否定できません。規制との絡みでむしろそのチャンスが高まっていると、私には思えるのです。(※2018年1月執筆:長瀬雄壱)