中国共産党指導者との対話シリーズ、ブロックチェーン教科書発行

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中国共産党指導者との対話シリーズ、幹部教育のブロックチェーン教科書発行

中国共産党中央委員会の高度教育機関である中央党校がこのほど、党幹部らを教育する暗号資産(仮想通貨)に関する新しい書籍を発行しました。中国は中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)発行に向けた実地テストを開始していますが、この「ブロックチェーンに関する党指導者との対話」は、テクノロジーに関する書籍シリーズの1つであり、特に党員にとって必須の指導書だと言われています。

仮想通貨やICO、規制問題などブロックチェーン技術全般を解説

中国国内のブロックチェーンに関するニュースリポート(5月19日付)によると、すでに発刊されている書籍シリーズは、「人工知能(AI)に関する党指導者との対話」と併せて2冊です。書籍シリーズ発刊の目的は、台頭する新しいテクノロジーの動向を学ぶ党員や一般大衆向けの教材となります。

ブロックチェーンに関する書籍の序章には、中央銀行である中国人民銀行(PBoC)のほか商業銀行、規制当局の幹部らが寄稿しています。この書籍は、法定通貨発祥の歴史と起源で始まり、現行の信用通貨システムとそのマイナス面について触れています。関連して、仮想通貨発行の動きやビットコイン(BTC)の誕生などの核心に踏み込んでいます。

書籍はさらに、話題のデジタル通貨の特質とその将来性、さらには仮想通貨取引所やICO(イニシャル・コイン・オファリング)などについて詳しく紹介しています。これら仮想通貨の発展に関連して、規制問題についても議論を展開、規制上の諸問題を解説しています。

Facebookのリブラとの違いを強調してCBDC発行の背景を解説

中銀発行のデジタル通貨(CBDC)については全章で触れており、デジタル人民元発行のための戦略と、現行の決済システムにもたらすインパクトについて詳述しています。その中でCBDCとFacebookが発行を計画している「リブラ(Libra)」とステーブルコインとの違いについて、徹底的に比較分析を試みています。

書籍はさらに、リブラのような法定通貨並みの超能力を持つソブリン暗号資産のリスクについて警告を発し、不完全な金融市場インフラストラクチャ―状態にある諸国が保有する通貨発行権に疑問を投げかけています。中国政府は書籍の中で、リブラ発行などの動きを抑止するため、対抗手段となる規制措置を提案しています。

バイナンスは中国向けウェブサイトを開設、中国の動きを先取り

中国銀行(PBoC)は4月以来、世界に先駆けて深セン、蘇州などいくつかの都市でCBDCの試験運用を開始しています。世界の仮想通貨業界も無関心では済まされません。時を併せて目立つのは、バイナンス(Binance)の動きです。

同社は5月19日、中国への復帰戦略の一環として、中国産業情報技術省から新たな中国語版ドメイン(binance.cn)開設を認められました。バイナンスはこのウェブサイト開設目的について、「手始めに、教育とテクノロジーに注力しようではないか」と力説して、中国内の時流に遅れまいと懸命です。

バイナンスのジャオ・チャンポン最高経営責任者(CEO)はTwitter上で 、このウェブサイトには研究・開発、コンサルティングなど、ブロックチェーン関連のコンテンツを重点的に掲載する予定だと述べています。

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長瀬雄壱
フリージャーナリスト、大手マスコミのOB記者。在職中は社会部、科学部、外信部で記者活動を行なう。特に外信部では、10年余り海外特派員(3カ国)を務め、国際関係、政治、経済、社会、戦争取材など、あらゆる分野で記者活動を続けた。翻訳業務経歴は約50年あり、今でも海外ニュースを深くモニターしている。