中国警察によると4368億円のビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)をポンジスキームで有名なプラストークン(PlusToken)から押収したと発表。プラストークンでは多くのビットコインとイーサリアムが引き出せない被害を受け、関係者により持ち逃げされていた。
関連記事:【墨汁速報】ビットコイン高騰原因か シルクロードの1000億円超えBTCを米司法省が押収
プラストークンからの4.3兆円の押収詳細
中国警察によると、ビットコインやイーサリアム、リップルなどのメジャー仮想通貨を押収したとしており、合計で時価総額4,368億円にも上るという。このプラストークン詐欺の押収は11月19日に行われ、塩城市中級人民法院( Jiangsu Yancheng Intermediate People’s Court)が今回のプラストークン詐欺の事件の押収の詳細を公開した。
押収したビットコインやイーサリアムの詳細は下記の通り。
- 194,775BTC
- 833,083ETH
- 150万LTC
- 2760万EOS
- 74,167DASH
- 4.87億XRP
- 600万DOGE
- 79,581BCH
- 213,724USDT
ビットコインが最も高く3393.6億円、次にイーサリアムが437億円、リップルが253億円となっている。
押収されたビットコインなどはどうなる?
塩城市中級人民法院によると、「押収されたビットコインやイーサリアムは、司法に従い処理されて国庫により徴収される」としている。
しかし、塩城市中級人民法院は売却するか、売却方法はどうなるかなどは明記していない。中国中央銀行にあたるPBoCは、仮想通貨と人民元との取引を禁止しているため、押収したビットコインやイーサリアムを売却することができるかは不明となっている。
仮想通貨のプラストークン詐欺
プラストークンによる仮想通貨のポンジスキーム詐欺事件は9月22日に判決がくだされていた。中国の地方新聞による報道によると被害者は200万人を超え、被害額は7,900億円を超えるとされている。プラストークンは2018年5月にサービスを開始し、実際は存在しない仮想通貨の価格差を取引して利益を出す裁定取引プラットフォームだと広告をしていたことで有名だ。
毎日の利益の払い出しを約束していたものの、500ドル以上のデポジットを条件としていたことが大きな被害につながった理由だと見られている。
ビットコインへの価格影響は?
プラストークンによる巨額のビットコインやイーサリアムの持ち逃げ詐欺は、売り圧としてトレーダーに警戒されていたものの、中国国内でのマネーロンダリングは実質難しく、仮想通貨取引所に出金した場合は凍結される可能性が高かったことから、現金化が難しかったと見られる。
中国公安によるOKExのトップ拘束などで、中国国内のOTC取引(個人間取引)の多くが摘発されていると報道されていることなども考慮すると、中国政府がビットコインをどのようにして売却するかについて注目が集まるだろう。
ビットコインの現在の発行数は18,555,568BTCとなっており、プラストークンで押収されたビットコインは市場供給量の約1.05%にも上る。これらを売却するには流動性が足りず、米国政府のように国内でオークションを行うこともPBoCのルールを考慮すると難しいため、現金化は困難を極めるといえるだろう。
【こんな記事も読まれています】
・【墨汁速報】ビットコイン(BTC)2.5%下落、元中国最大手OKExが全ての仮想通貨引出しを停止で
・米司法省10億ドルのビットコイン押収、仮想通貨市場には好材料か?
・160万円突破のビットコイン(BTC)、市場にもFOMOの兆候
※墨汁速報@コインチョイス その他仮想通貨の最新時事ニュースはこちら
▼墨汁サロンではイーサリアム2.0の最新動向や実際のステーキング検証、テクニカル分析理論、最新のDeFiやファンダメンタルなどをより深く解説しています。
参考:Chinese police have seized $4.2 billion cryptos from PlusToken Ponzi crackdown