アート作品販売にブロックチェーン技術を利用すると大手競売会社クリスティーズが発表

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クリスティーズ(Christie's)、アート作品の販売にブロックチェーン技術を利用すると発表

老舗オークションハウスのクリスティーズ(Christie’s)は、ブロックチェーン技術を基盤としたアートレジストリ(登録)サービスを提供するArtoryと提携して、バーニー・A・エズワース(Barney A. Ebsworth)のアメリカモダニズムコレクションの発売を予定しています。これによって、クリスティーズは、ブロックチェーン技術を利用する最初のメジャーオークションハウスとなります。

ブロックチェーン技術を活用する「The Artory Registry」とは?

「The Artory Registry」は、世界で最も安全なアートのデータベースの1つであり、「信頼性の高い審査済みの作品に関するデータ」や「アートワークのライフサイクルにおける重要な出来事」を記録しています。

Artoryの創業者であるナーン・デッキン(Nanne Dekking)氏は、ブロックチェーン技術を利用することで、不透明なアート市場においてバイヤーの信頼を高めることができると主張しています。彼は、ニューヨークのサザビーズ(世界最古といわれるオークションハウス)で副会長とプライベートセールス責任者を兼任していた経験を元に、オークションに参加する顧客の懸念を理解しているといいます。

Today’s buyers are more skeptical and risk-averse. They want to buy with absolute confidence. Artory was created to be a partner for the art marketplace in addressing these challenges.
(訳:今日のバイヤーは、より懐疑的でリスク回避的です。彼らは絶対的な確信を持って作品を購入したいと考えています。Artroryは、これらの課題に対処し、アート市場のパートナーになるために設立されました)

ブロックチェーン利用はあくまでも実験的な試み

クリスティーズは、Artoryとのパートナーシップを実験的な試みであるとし、ブロックチェーン技術に対する顧客の反応をテストしたいという願望を強調しています。

クリスティーズの情報部門担当のリチャード エントルップ(Richard Entrup)氏は、以下のように語りました。

Our pilot collaboration with Artory… reflects growing interest within our industry to explore the benefits of secure digital registry via blockchain technology. The entrepreneurial spirit of the Ebsworth family and their embrace of leading-edge technology makes Christie’s November sale of the Ebsworth Collection an ideal platform for our clients to pilot this technology for themselves.
(訳:Artoryとのパイロットのコラボレーションは、アート産業におけるブロックチェーン技術による安全なデジタルデータ登録の利点の探求心を表しています。エズワース家の起業家精神と最先端技術への関心により、クリスティーズの11月のコレクション販売は、この技術をテストするための理想的な取り組みになります)

結論と考察

アート産業における作品情報の不透明性は、市場が潤滑に作品を売買することを妨げ、時にはバイヤーに大きな損失をもたらすリスクがあります。ブロックチェーンの改ざんできないデータベースとしての機能を最大限発揮することによって、これらの問題に対処することが可能になるでしょう。今回のパートナーシップは、「アート×ブロックチェーン」の先駆的事例になることは必至で目を離せません。

(文・五月雨まくら

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参考
artnet News
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