10月16日(火)、仮想通貨に関する情報・データが確認できる Crypto Compareが「Cryptocompare Cryptoasset Taxonomy Report 2018」という資料を出していて、内容が非常によかったので簡単に内容を要約してお届けします。レポート内では、暗号資産に関するさまざまな分類がなされているだけではなく、データがわかりやすくビジュアライズ化されていて、興味深いです。
目次
暗号資産のさまざまな分類法
ここでは、いくつかの暗号資産分類法を解説します。
① 「Crypto Compare 流」暗号資産分類法
暗号資産がCrypto Compare独自の方法によって分類されています。「Fungible」と「Non-Fungible」の違いは一言でいうと「代替できる or 代替できない」です。詳しくは以下の記事で説明してありますので、ご覧ください。
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また図の黒い四角で囲まれた部分は、後ろに「requirement(要件)」をつけるとわかりやすいと思います。つまり要件がさまざまか、限定されているかということです。
② 「産業別」暗号資産分類法
今度は産業別に、暗号資産が分類されています。実際の通貨が具体例に書かれているので非常にわかりやすいですね。個人的には、上から3番目の「Blockchain-Specific Application」が注目されていて、競争も激しいイメージです。
③ 「ユースケース別」暗号資産分類法
ユースケース別に、暗号資産(主要通貨のみ)を分類したものです。一番多いのは、「Payment Token」と「Utility-Platform」ですね。ただ同じカテゴリに所属していても、それぞれ異なる特徴を持っていることが面白いです。なんとなく、Vechain(ヴィチェーン)とNEM(ネム)は「Utility-Platform」に入るイメージですが、こういう解釈もありということで。
④ シンプルに暗号資産を3つに分類する考えも
ここではシンプルに暗号資産を3つに分けています。「Cryptocurrencies」はイメージしやすいと思いますが、「Cryptocommodities」と「Cryptotokens」の違いが少しややこしいですね。筆者の解釈は、前者は後者に比べてより物理的なコモディティ(消費財)に近い感覚です。例えば、ゴーレム(Golem)の分散コンピューティングやストレージ(Storj)のクラウドストレージを考えるとわかるかと思います。後者の方が応用範囲は広いですね。
分類別にさまざまなデータを視覚化
① もっともよく使われているのは?
上図によれば、「Utility Non-Platform-Defined」が主流になっていますね。次に続くのは、「Payment Token」です。ただ、これらの動向は目まぐるしく変化していく可能性が高いので、あくまでも現時点における参考です。
② 分類上の使用頻度の変化
これはなかなか興味深い図ですね。初めは、「Cryptocurrency」のみ存在していたのが、イーサリアム(Ethereum)の登場などにより「Cryptocommodity」が現れました。そして最近では、「Cryptotoken」が過半数を占めるほど増加しています。
③ 時間軸で見る産業別ローンチデータ
産業別のプロジェクトがいつローンチしたかを時間軸にプロットした図です。どの産業においても、2017年から2018年にかけて活発になっている様子がわかります。
④ 年代別に見るプロジェクトの市場規模
ビットコイン(Bitcoin)とイーサリアム(Ethereum)が圧倒的な存在感を示しています。近年台頭してきて、市場規模が大きいプロジェクトという視点から見ると、EOS、BCH、ADA、TRXあたりが注目株でしょうか。
リアルタイムチャート
★ビットコイン(BTC)の価格・相場
★イーサリアム(ETH)の価格・相場
結論と考察
ここまで急ぎ足でレポートの内容を見てきました。さまざまな分類法とそれに基づく統計は、現在のシーンを把握するのに、有用だったのではないでしょうか。他にもいろいろな情報が原文には書かれていますので、興味がある人は読んでみてください。
※画像はすべて「Cryptocompare Cryptoasset Taxonomy Report 2018」より引用
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参考
・Cryptocompare Cryptoasset Taxonomy Report 2018