ビットコイン先物を提供するシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)は、米商品先物取引委員会(CFTC)に対して取引制限を2倍にする書類を提出。CMEのビットコイン先物は2017年12月にローンチし、2019年5月には15万BTC/日の出来高を記録、ビットコイン先物市場の大幅な成長に基づき現在のポジション制限を増加させる狙いだ。
CMEのビットコイン先物ポジション制限緩和
CMEのビットコイン先物は1コントラクト5BTCであり、ポジション制限が1,000コントラクトであるため、5,000BTCまでの取引制限がある。対して今回の申請では、1,000コントラクトを2倍の2,000コントラクトにするというもので、ポジション制限が1万BTCになるということになる。
CMEの広報によると、現在のCMEビットコイン先物の平均出来高はすべての限月取引を含めて7,100コントラクト/日の需要があるという。つまり月に106.5万BTC、日本円にして約1.2兆円にものぼるのだ。
出典:CME Group
ポジション制限緩和適応開始はいつ?
CFTCによると、現在のポジション制限は過度な投機を防止するためであるとしており、すべての先物商品に適応されている。だが、もしCFTCがポジション制限の引き上げに反対しない場合、10月限月のビットコイン先物に9月30日から適応されることになる。
CFTCによると、「通常相場操縦などがないまたは、可能性が低い市場にはポジション制限は必要ない」としており、CFTCがどのように判断するかに注目する必要があるだろう。
出典:CFTC
増加するCMEビットコイン先物需要
CMEのビットコイン先物の出来高は、1つの限月でみても5月に15.5万BTC/日を記録している。CMEの今回のポジション制限の緩和はCMEがビットコイン市場が成熟してきたと考えていると見られ、2017年にビットコイン先物をローンチしたときに比べ、よりビットコインへの理解が深まったといえるだろう。
出典:Tradingview
参考:CME Seeks to Double Monthly Bitcoin Futures Trading Limit to 10K BTC
【こんな記事も読まれています】
・CMEのビットコイン先物取引量が前年比132%増に、機関投資家の関心高まる
・ビットコイン(BTC)先物取引をめぐるレジャーXと商品先物取引委員会との確執
・仮想通貨取引所バイナンスが先物プラットフォーム発表、約2500万円のトレーディングコンペも実施