コインベースが5つの暗号通貨の取扱検討開始をしたアナウンスについての所感、XRPが含まれない理由とは

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センタリング

7月14日にCoinbase(コインベース)が新規暗号通貨の取り扱いについて検討を開始するアナウンスをしました。

▼参考:Coinbaseブログ
Coinbase is Exploring Cardano, Basic Attention Token, Stellar Lumens, Zcash, and 0x

Coinbaseが5つの暗号通貨取り扱いを検討開始、XRPは含まれず

検討・調査が開始される暗号通貨は、下記の5種類です。

  • Cardano (ADA)
  • Basic Attention Token (BAT)
  • Stellar Lumens (XLM)
  • Zcash (ZEC)
  • 0x (ZRX)

▼Coinbase Twitter

Coinbaseは、アメリカで最大の取引所で影響力は大きく、このアナウンスをけて、当該トークンは大きく価格をあげています。このアナウンスについて簡単に私見を述べます。

まず、Coinbaseの本件へのアナウンスには、細心の注意が払われていると感じ取れ、今回の検討開始アナウンスは、パブリックと社内、同じタイミングで行われたと強調しています。

といいますのも、過去には、ビットコインキャッシュのトレーディング開始前に社内でインサイダーがあったのではないかと多いに揉めた経緯があるからです。

また、アナウンスには、上場は規制当局の対応にもよると言及されています。
Coinbaseは現在、監督された取引所になるべくSECと対話を続けている最中であり、証券業も銀行業も免許は保有していません。

ICOトークンは証券に近い扱いになる方向性であることは周知の通りで、証券業ライセンスを保有していないCoinbaseが証券に近いと認定されるトークンの取り扱い開始をわざわざアナウンスをしているのは、同社と当局の対話はなかなか順調に進んでいるのではと、なんとなく感じるものがあります。

一方、上位のパブリックプロトコルとして、“Cardano”と“Stellar Lumens”が検討開始銘柄に選定されていながらも、Ripple社が発行するXRPは検討開始対象から外れています。

Ripple社は、これまで取引所や関係者に対して、トークンを引き渡すことを条件に、パートナーシップのアナウンスを求めたり、上場をお願いしたりということを多く行なってきており、その中のいくつかは、過去にスキャンダルとしてリークされてきました。

過去には、Ripple社はCoinbaseに対してインセンティブとして100億円分のXRPの貸与を申し出て上場を依頼していたこともBloomberg誌で記事になりました。

▼参考:Bloomberg
Ripple Has Tried to Buy Its Way Onto Major Exchanges for Cryptocurrency

これは、実質のコールオプションであり、償還時期になれば100Million(約110億円分のXRP)をそのまま返せば良く、もしCoinbaseの上場により価格が上がっていたら売却してCoinbaseの利益にして良い、という申し出です。

同じ申し出をGeminiにも行なっており、取引所2社はこの申し出を拒否していますが、これを許諾して上場に応じた国外取引所は多くあるのでしょう。

そして、株式会社が発行をする証券に近い性質のものを、このようなインサイダー的手法で上場を依頼しているのは、金融の世界では望ましいとは言えません。そのことから金融当局と対話を計ろうとするCoinbaseは、現段階で、XRPを上場検討銘柄から除外していると思われます。 

Coinbaseが検討開始する5つの暗号通貨に対する所感

さて、ここからCoinbaseが言及したトークンに対して、できるだけ客観的にコメントをします。
まず、5つの暗号通貨の中で、上場実現可能性が最も高いものは、“Zcash”だろうと思われます。

というのも、同コインは、ICOなしであるし、既にNYのビットライセンスで監督されたGeminiで上場できているので、Coinbaseも上場しやすいでしょう。Stellaに関しても、ICOはしておらず、5つのなかで上場可能性は高いほうになるのではないかと思います。

ですが、Zcashの秘匿度が極めて高いトランザクションを米当局がどのように処理していくかはよくわからず、Coinbaseも上場する際、秘匿トランザクションでの入出金ができない可能性はあるとコメントをしています。

“0x”と“BAT”に関しては、真面目に開発している有望なプロジェクトであるものの、わずか1年前にICOをして、当時は米国人にも普通にトークンを売っており、今すぐに上場が実現してしまうのは、やや矛盾を指摘する意見も入るのではと思います。

なお0xは、CoinbaseもDEXリレイヤーのParadexを買収する他、0xには、Coinbaseの共同創業者もアドバイザーに入っていることから同社としても上場させたい意思は強いのではと思われます。

最後に“Cardano(ADA)”ですが、同コインは、特に日本国内では議論を呼ぶトークンです。
Cardanoは、ICO時に日本国内で代理店を囲い入れ、ネットワークビジネス的にセミナーで絶対にあがると豪語し、お世辞にもプロフェッショナルとは言えない手法で、トークンを販売していた経歴を持ちます。

しかし、それを行なっていたのは、日本語のローカルだけで、海外でこの情報は流れていません。
とはいえ、現在はロードマップを策定して開発をしているようで、当時の状況を知っている日本の多くの人にとって、複雑な気分ではないかと思います。

上記の5つのトークンについて、Coinbaseの上場可否の続報が待たれます。
筆者が運営する研究所サロンでは、このようなマーケットの示唆から、業界のビジネス分析、技術解説、その他多くの議論やレポート配信を行なっています。ご興味ある方はぜひご利用ください。

▼平野 淳也 研究所サロン
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