米仮想通貨取引所コインベースがウィキリークスの決済アカウント停止:政治的背景絡みの全面戦争へ

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米仮想通貨取引所コインベースがウィキリークスの決済アカウント停止:政治的背景絡みの全面戦争へ

米国の大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)が突然、仮想通貨で決済する取引からウィキリークス・ショップ(WikiLeaks Shop)を締め出した。Coinbaseはウィキリークスに送った文書の中で、「当社は今後、取引銀行を通じた(ウィキリークスの)委託注文を処理しない」と伝えている。

ウィキリークスは、匿名で政府、企業、宗教などに関する機密情報を公開するウェブサイトとして世界的に有名だが、Twitter上で、「この申し入れは突然のことであり、Coinbaseから何らの説明もなかった」と批判して、反撃の構えを見せている。

Coinbaseとウィキリークス両社が互いに非難合戦

Coinbaseは文書の中で、「慎重な見直しの結果、貴アカウントは当社のサービス規定を侵害して、禁止されている利用に関係していると考える。遺憾ながら、当社は今後、当社サービスへの貴社のアクセスを提供できないことを伝達する」としている。

これに対してウィキリークスはTwitter上で、今回の禁止措置を甘受せず、今週(2018年4月22日から始まる週)に、Coinbaseに対する「世界的規模の封じ込め」を呼びかけた。同社は「Coinbaseは仮想通貨コミュニティーにふさわしくないメンバーとして、世界的な封鎖を呼びかける。Coinbaseは、裏からの圧力に屈して経営陣が承認した決定で、まったく罪のないウィキリークス・ショップを妨害した」と主張した。まさに全面戦争のようだ。

呼びかけに応えて、ウィキリークス独自の日用品オンラインショップのフォロワーやユーザーはTwitterなどで素早く反応して、一部はCoinbaseを見放すとまで言っている。仮想通貨、ブロックチェーン専門家のアンドレアス・アントノポーラス氏はTwitterへの投稿で、「われわれは一回りして元の場所に戻った。多くの人がビットコインに興味を持ち始めたのは、ウィキリークスが法的禁止措置により、VISA、MasterCard、PayPalや銀行から締め出された時(2010年)だった。Coinbaseは今また、歴史を繰り返した」と批判した。

政治問題に敏感なブログサイトGateway Punditによると、同ショップは2018年3月以来、仮想通貨による決済を拒否されているという。

政治的背景が疑われるウィキリークス締め出し

Coinbaseはカリフォルニア州を拠点として、米財務省・金融犯罪捜査網 (FinCEN)から、取引所として正式に登録(認可)されている。Coinbaseは2015年1月、米国発初の「規制された」ビットコイン取引所となった。ユーザーは2017年11月現在、1300万人と世界最大規模である。

一方、ウィキリークスは、2006年にジュリアン・アサンジ氏によって創設された。同サイトは2010年の米外交公電流出事件が示すように、機密文書などのすっぱ抜きを通じて一躍世界で注目された特異のメディアである。報道機関より多くの衝撃的な情報をすっぱ抜くことで、関係政府の圧力もあるとささやかれ、隠れた敵も多い。

ウィキリークスは事業を継続する資金を、主として一般読者やフォロワーの寄付金に頼っている。ウィキリークス・ショップは事業資金調達の一環として、Tシャツ、パーカーなど、同社ブランドの日常品をネット販売してきた。

アサンジ氏は 2010年8月20日、スウェーデンの2人の女性との不正な性的関係の容疑で逮捕状が出て、英国で逮捕された。同氏は保釈中、在英エクアドル大使館に亡命を求めて、今なお身柄を保護されている状態だ。ウィキリークスへの新たな締め付けの行方が注目される。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

参考
CCN
GIZMODO