コインチェック&マネックスの共同記者会見:買収の経緯や今回のメリットとは?

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コインチェック記者会見、マネックスグループと共同発表の一部始終

本日、コインチェック社がマネックスグループに買収されることが正式に発表された。
マネックスグループの買収により、コインチェックはマネックスグループの完全子会社化となることが確定した。

▼公表された内容の詳細は下記記事をご覧ください
マネックスが36億円でコインチェック社を買収へ、新経営体制も正式発表

本日の(ウェブ)発表を受け、本日(4月6日)16時よりコインチェックとマネックスグループは共同記者会見を開き、コインチェック買収に至った背景や新たな経営体制を述べ、後半は記者達の質疑応答に答えた。記者会見には、マネックスグループの松本大氏、勝屋敏彦氏、コインチェック社の和田晃一良氏、大塚雄介氏が登壇した。

経営体制の紹介

まず経営体制についての紹介があった。今後は監督機能と執行機能をしっかり分離していく方針で、「取締役会」にはマネックスグループの勝屋敏彦氏、上田雅貴氏、松本大氏、弁護士の久保利英明氏、元東京三菱銀行常務取締役の玉木武至氏が就任しており、コインチェック社に対する監督機能も担っている。

「執行部」にいは、社長執行役員に勝屋敏彦氏、執行役員には、マネックスグループから上田雅貴氏、後藤浩氏、三根公博氏、コインチェック社から和田晃一良氏、大塚雄介氏、木村幸夫氏が就任し、これらのメンバーで、新しいコインチェック社を推進していくとのこと。

サービス全面再開に向けたスケジュール

  • 新経営体制の確立(4月16日予定)
  • 3通貨[REP、DASH、ZEC]の出金再開(本日)
  • リスク管理等の体制整備(~4月)
  • 管理体制定着化(4月~)
  • サービス全面再開&金融庁へ業者登録(2ヵ月程度を目標)

上記のスケジュールで進める予定で、4月16日にはコインチェック社の全株を取得するとのことだ。

続いて未来に向けての考え方も説明があった。マネーグループの「未来のマネーを実現していこう」という理念と、コインチェックの「新しい技術と思想」をフュージョンさせて全く新しい強いグループ会社が創っていけるとマネックスグループの松本氏は述べた。

コインチェックの和田社長は続けて、今回の経営体制のもと、経営戦略の見直しや経営管理体制、内部管理体制の見直しを測っていく、また、顧客の資産保護を第一に運営していくと語った。

記者からの質疑応答

両社からの説明が終わると、会場に来ている記者からの質疑応答の時間が設けられた。

質問:社長や株式を手放す際は躊躇はなかったのか?
回答(和田氏):躊躇や迷いはなかった。1月末に起こしてしまった問題の時からも、顧客の資産を保護することを第一に考えていたので、社長を降りるということは手段のひとつとして考えていた。それによってより強固な経営体制ができるのであれば不満はない。

質問:今回の買収は良い「買い物」をしたという認識でいるのか?
回答(松本氏):M&A(合併)は結婚とかと同じように、どちらがということではない。良い買い物というのではなく、一緒に新しい金融機関としてサービスを創っていくファミリーのようなものと考えている。今回は素晴らしい出会いだと思っている。

質問:コインチェックという社名は今後残るのか?
回答(松本氏):このままの形で残る。コインチェックは大きなビジネスでありブランドの価値を持っているので、サービスも同じ形で残していく。

質問:不信感が募る仮想通貨市場をマネックスグループはどうして買収に踏み切ったのか?
回答(松本氏):私自身3年ほど前からコインチェックを利用して仮想通貨を保有している。50兆円までいった新しい資産はきっと今後も大きくなっていくと思う。金の総額は800兆円とされているが、99.99%という表記があっても、金庫に保管していても、偽物かもしれない。これは仮想通貨でも同じであり、信用性をいかに証明し、盗まれたりしないようにするかということであり、勿論それは可能である。金よりも持ち運びが自由であったり、支払手段としても資産貯蔵をするといった面でももっとメジャーになっていくと考えており、今後の仮想通貨市場・ビジネスは大変大きくなっていくと思っている。

質問:匿名通貨の取り扱い廃止の検討は金融庁登録の際に必要と認識しているか?
回答(和田氏):匿名性の高い通貨の取り扱いに関しては現状での決定事項はない。今回のマネックスさんへの完全子会社化が直接関係してくるものではないと考えている。匿名通貨に関してはマネーロンダリングなどのリスクを適切に検討してそれを踏まえた上でしっかり決断をしていく。

質問:NEM(XEM)に関してもどう思っているのか?
回答(和田氏):NEM(XEM)に関しては、今後も引き続き取り扱っていくと考えている。

質問:NEM(XEM)の補償は終わったのか?現状は?
回答(大塚氏):補償対象の方への支払いは終えており、全てコインチェックのアカウントに反映している。訴訟に関しては特別増えているといった状況はない。

質問:今回のコインチェック完全子会社化の経緯とは?
回答(松本氏):(1月末に起きたNEM不正流出の)事故の後に、我々(マネックスG)が何かできることはないか?という連絡をコインチェックにはしていた。3月は全くコミュニケーションはなかったが、3月中頃にコインチェック社の方から話がしたいという連絡があり、今回の決定に至った。

質問:マネックスGは他の仮想通貨交換業のM&A(買収)は検討したことはあるのか?
回答(松本氏):とくにない。

質問:マネックスGとしての仮想通貨交換業登録はしないのか?
回答(松本氏):以前から決算説明などで、マネックスクリプトバンクとして仮想通貨交換業界への参入をすると案内をしていたが、今回のこと(買収)で、マネックスクリプトバンクの申請は意味がないと感じ、恐らく取り下げこととなる。

質問:仮想通貨業界はリスクがあるが、今回(買収)のメリット・デメリットとは?
回答(松本氏):コインチェックは世界的な仮想通貨ビジネスの先駆者であるため、報道は世界各国におよんでいる(マネックスGは世界的に報道されたことはない)。コインチェックはブランドバリュー、顧客基盤、技術があり、非常に強い会社である。リスクは当然つきものであるし、管理できるものでもあるが、先ほど言ったブランドバリュー等々はそう簡単には実現できない。そういった面でコインチェックの良いところをマネックスGが支えることによって、互いにいい形が出来ると考え今回の決定に至った。

質問:金融庁への登録は2ヵ月を目標となっていたが、いけるのか?
回答(松本氏):あくまで目標である。金融庁が最終的には決めることだが、我々は2ヵ月を目標として進めていく。

質問:サービス全面再開は金融庁登録を終えてからなのか?
回答(松本氏):一般的な常識から考えると、ほぼパッケージ(同じ)と考えているが、これも金融庁の判断となる。

質問:今後のビジネス展開はあるのか?
回答(松本氏):交換業、販売業が中核になるが、新しい支払い手段などがあるので、こういった部分は進めていきたい。

質問:コインチェックは他の企業を選択していた可能性はあったのか?マネックスGに決めた理由は?
回答(和田氏):複数社(詳細は公表できないが)候補はあった。マネックスGを選んだ理由は、まずはじめに、仮想通貨交換業はまだ未成熟で、我々はスピード感を持ってやっていきたかった。そこで、早く意思決定ができる場所、そして強化・サポートをしてくれると感じたのがマネックスGであったので、今回決めさせていただいた。

質問:コインチェックの和田社長や大塚取締役を執行役員として残したのはなぜか?
回答(松本氏):今の状況だと、監督機能と経営体制の強化は社会的な要請があり、今回のような経営体制となった。今後、和田氏が再び代表取締役になることも、当然あり得ることである。

質問:今回の買収で、どういった点を底上げできると考えているのか?
回答(松本氏):仮想通貨業界のより良い形、強い形、社会に認識される形での発展にna我々が何か貢献できる点があると信じている。

質問:今後は執行役員としてどのような動きをしていくのか?
回答(和田氏):NEM(XEM)流出事件において、私には責任があると感じている。この体制のままでは顧客に安全なサービスを提供することが困難となったため、取締役を降りることを決断した。執行役員としては、私が下した決断を取締役会にかけることによって、より良いサービスが提供できるものとして考え、執行役員として残ることを決めた。今後としては、開発に関することを行なう予定。コインチェック創業当初からエンジニアとして携わっていたため、今後どうやったら安全なサービスが提供できるのかという理解があるため、開発やプロダクトといったところで執行役員としての責務を果たしていく。

質問:現在のコインチェックの社員数は?また増員予定はあるのか?
回答(大塚氏):現在104名いる。増員予定あり、積極的に採用をさせていただく。より良いサービス提供を目指したいと思っている。

質問:コインチェックの新社長就任の抱負とは?
回答(勝屋氏):このタイミングでの社長就任は非常に責任が重いと感じている。身の引き締まる思い。豊富としては、お客様の信用を取り戻すこと、信用してもらった上で信頼を受けるといった企業にしていきたい。業界をリードするような(貢献できるような)企業、常に外にアンテナをはって、技術の動向、インテリジェンス、ネットワーク、こういったことに傾注して進めていきたいと考えている。

以上、コインチェック社とマネックスグループの共同記者会見の様子となる。
今回の買収(合併)で、顧客により良いサービス提供することにつながることを両社とも目指している(期待もしている)。今後の新経営体制によりどのように変化してくのかが注目される。
※一部割愛した部分もありますが、ご了承くださいませ。