米議員団がSECに仮想通貨とICO規制に関するガイドライン作り求める

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米国の十数人の議員が、仮想通貨が連邦法に照らして証券か否かなどの決定を含む仮想通貨、ICOに関する規制ガイドラインを早期に求める米証券取引委員会(SEC)委員長宛て文書の署名活動を進めている。連署者のテッド・バッド(Ted Budd)議員(共和党)によると、文書にはすでに15人が署名済みだという。

規制ガイドライン出せず、法的権限を行使するだけのSECに懸念表明

SECのジェイ・クレイトン(Jay Clayton)委員長宛ての文書で、最終的なガイドラインを出せないでいることに懸念を表明している。特にICOトークンは証券と決定すれば、スタートアップ企業は米国を見捨てる可能性があることを次のように憂いている。

「デジタルトークン売買の処理をめぐる当面の不確実性は、米国のイノベーションを阻害し、結果的にビジネスをどこかほかの国に追いやってしまう」

バッド議員は、これは「業界トレードグループやほかの共和・民主両党議員との数カ月に及ぶ作業と対話の副産物である」として、議員団は暗号資産に関する政策を明確にする正式のガイダンスを公表するのではなく、法的権限を行使することに次のように疑問を呈している。

「われわれは、SECがその立場を明確にするさらなる行動を取りうると考える。われわれはさらに、政策を明確にするため法的権限のみを行使することを懸念しており、公式のガイダンスこそ、法的不確実性を一掃する適切なアプローチであると信じている。法的不確実性は、米国における革新的テクノロジーの発展にとって、不必要な困難な環境を招く原因になる」

ICOトークンは証券か否か、3つの質問提起

議員団はさらに、ICOトークンやその他仮想通貨資産の法的地位に関して、3つの質問をクレイトン委員長に投げかけた。その中にはSECの企業ファイナンス部門のウィリアム・ヒンマン(William Hinman)部長の発言の賛否を問いただす質問も含まれている。

ヒンマン部長の発言とは、当初は投資契約つまり証券として販売されたトークンが、後になって証券とのレッテルを取り除くことが可能かどうかについて聞かれたことに対するコメントである。

同氏は6月に特にイーサリアムについてコメントして、イーサリアムが当初トークンのプレセールを通じて資金調達された事実があるにも関わらず、証券として規制されるべきではないと発言していた。

消息筋は仮想通貨やICOの規制措置を公表する環境整っていないとの見解

ワシントンのインサイダー(消息筋)は、SECや米商品先物取引委員会(CFTC)が、仮想通貨やICOの規制措置を近く打ち出す環境は整っていないとの見方でほぼ一致している。その中で、一部議員による働きかけが注目され始めた。

最初の動きはまず9月19日、ケビン・ブレイディ(Kevin Brady)下院議員(共和党)ら5議員が、国内歳入庁(IRS)に抗議文書を送り、仮想通貨の利得に対する所得税徴収に関する明確なガイドラインなしに、法的介入だけが目立つことに抗議し、10月17日までに回答を求めた。

次いで9月25日、ウォレン・ダビッドソン(Warren Davidson)下院議員(共和党)がワシントンで、ウォールストリートの経済人やベンチャーキャピタル(VC)、仮想通貨取引所の代表などを集めた円卓会議を開催した。

議題はもちろんICO規制問題など。ダビッドソン議員は10から11月にも、独自の規制法案を議会に提出す方針を明らかにしている。

そして今度のSEC委員長に対する文書提出(9月28日)の報道である。背景には、規制ガイドラインが出る前に取締だけが先行している事態を憂慮していることだ。

大手投資信託のフィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)の最高法務責任者デービッド・フォアマン氏は、「ルールが不明で、文書もなく、誰も知らないということであれば、見当違いで人々を罰するのは不適切である」と批判している。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
CCN
Congress SEC Letter

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