「Facebook Pay」から想像する金融領域への侵食と未来のSNS決済

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「Facebook Pay」から想像する金融領域への侵食と未来のSNS決済

Facebook Payが発表

フェイスブックが11月に「Facebook Pay」を北米で開始したことを発表しました。Facebook Payでは、同社のサービスであるフェイスブックやメッセンジャー、インスタグラム、ワッツアップ内で決済が可能であるとしています。同サービスではクレジットカードの番号を登録してフェイスブック内で品物やサービスの購買ができるようにするとしています。

これまでもインスタグラムなどでは決済が可能でしたが、アプリ内決済をしていたものの、外部のストライプ(Stripe)やペイパル(PayPal)などの決済サービスを利用していました。

これが直接フェイスブックにクレジットカードを登録して決済する形式に変わります。同社が11月にこのサービスをローンチしたことは、、リブラ(Libra)と同時進行で開発が行われたと判断して良いでしょう。恐らくこの決済手段に、クレジットカード登録だけでなく、リブラも加わり支払いオプションとして選べるようなことは容易に想定ができます。

Facebookの金融領域への侵食

フェイスブックは、広告の収益が会社全体の98%を占めています。しかし、同じくSNSやメッセンジャーで中国で支配的な立場にあるテンセントの広告の収益は20%で、残りは30%金融、30%ゲームなどです。同社はメッセンジャーアプリのウィーチャット(WeChat)をスーパーアプリ化して、ウィーチャット・ペイなども運営します。

このような流れを考慮すると、フェイスブックはテンセントのように広告に加えて金融分野に事業領域を広げることは非常に妥当性があると言えるでしょう。リブラは、そのうちの一つであると筆者は評価しています。フェイスブックは既に広告収益のみでこの企業規模になっていることから、金融領域が加わることによる成長ポテンシャルは非常に大きい思われます。

また、Facebook Payのようなものは中国ではもう3~4年前からウィーチャットとアリペイ(Alipay)が実現しており、局所的とはいえ、アメリカと中国のプロダクトでこれだけで時間軸に差が出ているものがあると、中国が過剰気味に注目されるのもまた妥当性があると評価できるでしょう。

将来のSNSの決済を想像する

今後、フェイスブックは広告をターゲティングして、ユーザーはその広告から直接サービスの購入ができるようになるでしょう。そこではフェイスブックがユーザーデータを利用したターゲティングにより、「より購買しやすいユーザー」に「より購買しやすい広告」が流され、決済することになるでしょう。そこでは安価な手数料の決済手段が用いられるはずで、リブラもそこに含まれます。当然それらは簡単ななUI/UXで数クリックで決済が行われるはずです。

このような将来を想像すると、インターネット上で暗号通貨が決済に使われることがあまりイメージができないでしょう。ビットコインのような決済手段がFacebook Payのユーザーエクスペリエンスを上回ることは期待できません。

しかし悲観する必要はなく、ビットコインは最も検閲耐性が高く、プロトコルによって供給量が制限されたデジタルなコモディティであり、これらとは競合するものではありません。改めてフェイスブックの取り組みやリブラとは役割が異なると認識すべきと言えるでしょう。

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