イーサリアムのコンスタンティノープルでの問題点と進行状況

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イーサリアムのコンスタンティノープルでの問題点と進行状況

どうも墨汁うまい(@bokujyuumai)です。
イーサリアムネットワークは時期大型アップデート “メトロポリスPt.2 コンスタンティノープル” の内容を議論し始め、約3ヶ月が経過しました。コンスタンティノープルで実装されるEIP(改善提案)は大方決まり、当初予定していたCasper FFGのハイブリッドは見送りという形となる模様で、マイナーアップデートとなっています。

今回注目すべきは、最終的なCasperへの移行に際してのETHのインフレ率の調整となっており、本稿ではマイナーと開発者目線での今後とタイムラインについての解説を行います。

コンスタンティノープルの内容

イーサリアムのコンスタンティノープルハードフォークは5回目のアップデートで、本来は “メトロポリス“ としての実装を2つにわけたものになります。開発の進行により複雑化するネットワークでの検証は時間を有するため、イーサリアムの完成版となるセレニティまでに1回以上のフォークをすることになると考えられます。

現時点でのコンスタンティノープルに含まれるEIPは、当初の予定の

  • EIP-145:EVMのビット演算シフト改善
  • EIP-1014:新規EVMオペコード
  • EIP-1052:新規EVMオペコード

で、EIP-1283(SSTOREオペコードのガスコスト計測変更EIP-1087)は各クライアントの実装はまだではあるものの含まれる予定で、上記3EIPは主要クライアントとなる Geth, Parity, cpp-ethereum で既に実装済みとなっています。

イーサリアムクライアントは現在10クライアントあり、実装状況は40%~となっています。
Gethは7月末には既にEIP-1014と1052を実装していたため、マイナークライアントの実装が遅れているという形になります。

イーサリアムのコンスタンティノープルでの問題点と進行状況
出典:https://github.com/ethereum/pm/issues/53

イーサリアムのマイニング報酬減少

イーサリアムコアデベロッパー会議45では、イーサリアムの発行量を調整する際の意見として米国の大口GPUマイナー “Atlantic Crypto” のCEO Brain氏やEthMinerのデベロッパー Andrea氏、中国のマイニングプールSparkpoolのCEO Xin Xu氏、Dapps開発プラットフォームTruffleの創設者で、一般マイナーの代表としてTim氏などをゲストに意見を聞きました。

マイナーが支持するEIP-1295

今回の会議では、マイナー全体として「ブロック報酬を3ETHのままに、アンクル報酬を調整、ネフュー(アンクルの子チェーン)の報酬を取り除き、ディフィカルティボムを排除する」EIP-1295を支持しています。

ですがディフィカルティボムは前回のミーティングで排除ではなく、“調整“ で全員一致しており、ディフィカルティボムがなければ新規イーサリアムチェーンへの移行が遅れる原因となるため今後も変わらない点となります。

参照:Casper移行のインセンティブを解説

開発者の支持するEIP-1234とディフィカルティボム

開発や投資家としてはマイニング報酬を3ETH→2ETHへ減らし、アンクル報酬も同様に調整して減らすというEIP-1234が支持されています。イーサリアムはビットコインのような通貨としてのプラットフォームではないため、コントラクトを実行するためにはブロック生成時間を15秒という速さで維持する必要があり、簡易GHOSTSプロトコルを実装することによって通常破棄されるチェーン(アンクル)にも報酬を与えることでセキュリティを保っています。

現在アンクル報酬は約2.6ETHで、メインチェーンは3ETHであり、15秒につき約6ETHがマイナーに支払われていることで、デベロッパー側としては「セキュリティに報酬を払いすぎている」という意見があがっています。

当初の予定である10月実装は楽観的であるため、現在の進行状況では実際の実装は12月~来年1月になると見られます。

イーサリアムのコンスタンティノープルでの問題点と進行状況
出典:https://etherscan.io/chart/uncles

対して、現在イーサリアム価格は3万円/ETHほどに下落しており、この価格帯で報酬を1ETHに減らすEIP-858などでは、単純に計算してもハッシュレートが3分の1以上に減ってしまうことから話は平行線をたどっています。

参照:イーサリアム(ETH)のマイニング報酬引き下げ提案は価格に大きく影響するのか?

結論と考察

イーサリアムは現在3万円代を推移しており、マイナーには苦しい展開が続いています。ですが現在の年間7%前後のETH発行のインフレはCasper移行時の1%以下になるという点から発行数を下げていかなければなりません。

エコシステムの成長とともに、オフチェーンやサイドチェーンプロジェクトが大幅に進む一方、元々決まっていなかった発行数による問題と、セキュリティに割く費用の問題、ハッシュレートは深刻化しており、ICOプロジェクトによるETH売りはネットワーク全体への大きなダメージとなっています。

発行数を減らすということは、デフレとなり需要 > 供給という形をプロトコル上で生み出すことにより、PoSの攻撃リスクを減らすことができるためイーサリアムの今後を考えるならば発行数を減らしていく必要があります。

関連:イーサリアム(ETH)の価格・相場・チャート

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