「暗号資産は今後世界経済のリスクになりうる」G20の金融安定理事会(FSB)が報告書

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「暗号資産は今後世界経済のリスクになりうる」G20の金融安定理事会(FSB)が報告書

世界経済に及ぼす暗号資産のリスクを警告したIMFレポートに次いで、G20諮問機関の金融安定理事会(FSB)は、最近公表した報告書の暗号資産に対する見解を見直し、暗号資産は現時点で世界市場への「重大なリスク」ではないが、このまま進展すればその可能性も否定できないとの見解を表明した。

現時点で暗号資産は世界市場の「重大なリスク」ではない 

リスクになりうると指摘された問題点は、金融機関と規制当局に対する評判と信用の影響、金融機関に対する直接、間接的なエクスポージャーからのリスク、暗号資産が決済・清算に主要な役割を果たす際に生じるリスク、そして時価総額や資産効果に由来するリスクである。

FSBは解決策の一つとして、市場開発に対する警戒心を高めることを勧めている。それはいくつかの重要な政策問題であり、消費者と投資家保護の必要性、強力な市場健全性プロトコル、国際的制裁を含むAML(資金洗浄防止)/CFT(テロ資金対策)の実行、脱税防止のための規制手段、資本規制回避を防止する必要性、不法な証券取引横行に関連する懸念などを挙げた。

報告書は「これらの行動は、イノベーションの利点を失わずにすること、特に消費者および投資家の保護と市場健全性に対する各種リスクの抑止との間のバランスを図ることである」と述べている。

暗号資産は基軸通貨としての役割を果たしていない

G20 に報告される調査レポートは「Crypto-asset markets:Potential channels for future financial stability implications(暗号資産市場:将来の金融安定性への影響に対する起こりうる道筋)」(2018年10月10日付)で、金融安定性に対して起こりうる仮想通貨の影響を評価したものである。このレポートは、FSB議長が18年3月に開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議向けの文書に次ぐもの。

レポートは、低い流動性、レバレッジ利用、ボラティリティから生まれる市場リスク、運用リスクなど、暗号資産とその市場にある主要なリスク評価が含まれる。これらの特徴に基づくと、暗号資産は国家公認(基軸)通貨としての主要特質を欠き、安定した価値の保存あるいは共通の決済手段としての役割を果たさないと指摘している。

関連:金融安定理事会(FSB)「仮想通貨は現時点で金融安定のリスクではない」と、G20に報告

暗号資産は注意深い監視がなければ将来の金融市場の安定に影響及ぼす

現時点で、暗号資産は世界の金融の安定性に重大なリスクを及ぼさないと考えられている。しかし、市場発展のスピードに合わせて、注意深い監視が必要である。そして暗号通貨の利用が進展し続ければ、将来の金融市場の安定に影響を及ぼす可能性があると結論付けている。

FSBメンバー国(G20)はそのため、暗号資産に関連する幅広い国内監視と規制、法令執行上の行動を取らなければならない。国家機関や規制当局などは、投資家に対して暗号資産のリスクについて警告し、金融システムの効率化を促進させる分散型台帳技術(DLT)の可能性を支持する声明を発した。

今回のレポートと国際通貨基金(IMF)が同日公表した「World Economic Outlook for October 2018.:Challenges to steady Growth(2018年世界経済展望:堅実な成長)」とを併せて読めば、暗号資産に対する国際機関の考え方がほぼ明らかになるだろう。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

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参考
ETHNews
FINANCIAL STABILITY BOARD

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