韓国で仮想通貨の取引実名制を導入「仮想通貨資金洗浄ガイドライン」を施行

7039

編集部ピックアップ

韓国イメージ

仮想通貨の投機やマネーロンダリング(資金洗浄)など違法な取引を防止するため、韓国政府はついに「仮想通貨関連 資金洗浄防止ガイドライン」を整備し、2018年1月30日から施行した。仮想通貨の取引は今後、実名が確認されたユーザー(投資家)だけが取引を認められる。

ガイドラインは2種あり、1つは匿名による仮想通貨取引をなくす実名制システムの導入であり、もう1つは取引所にサービスを提供する銀行に対するマネーロンダリング(資金洗浄)防止に関するガイドラインである。

仮想通貨バンクでの違法取引を厳重規制

ガイドラインは1月23日、韓国金融委員会(FSC)のキム・ヨンボム(Kim Yong-bum)副委員長から発表された。法令による実名制アカウントシステムは、銀行が発行してきた仮想アカウントに替わるもので、これまでのアカウントは仮想通貨の入出金のため取引所を利用する顧客向けの口座であった。韓国政府は投機熱を鎮める目的で、アカウント開設に実名制を導入した訳だ。

この銀行口座開設が実名制になることから、「厳格な身分証明手続きを経て、新規会員になりうる」ことになる。

つまり仮想通貨の既存ユーザーは、取引所に仮想口座を提供している大手銀行6行が、本人確認済みのユーザー口座と取引所の同一銀行の口座間でのみ入出金が認める(実名確認入出金制)。取引所とユーザーの口座が、違う銀行にある場合は、ユーザーは取引所と同じ銀行の口座を、本人確認を経て新規に口座を開設しなければならない。全く新規のユーザーは、同様に厳格な身分確認を経て初めて口座が開設される。

この法令を実施する韓国大手銀行は、新韓銀行、農協銀行、企業銀行、国民銀行、ハナ銀行、光州銀行の6行。

1日1000万ウォンを超える入出金は当局に報告義務

韓国金融委員会(FSC)下部機関の韓国金融情報分析院(FIU)と金融監督院(FSS)は事前に、6大銀行が資金洗浄義務を達成できるかどうか、現場視察を実行した。ガイドラインはその結果の集大成である。

取引所は自前の資金口座とユーザーの口座を区別しなければならない。しかし、視察の結果、いくつかの取引所が自社口座を通じてユーザーの資金を集めていたことが分かった。またある取引所が、「4つの銀行口座を通じてユーザーの資金を自社口座に移し、586億ウォンを不正支出する」という詐欺、横領を犯した。

ガイドラインは投機や不正取引を防ぐため、以下のような具体的取引について、銀行を通じてユーザーの身元や取引内容の通知を受けるよう定めている。通知は金融警察機関に相当するFIUに集約され、関係政府機関に報告される。

  • 1日1000万ウォン(約103万円)を超える入出金
  • 1週間に2000万ウォン(約206万円)を超える入出金
  • 1日5回を超える入出金など、短期間での取引
  • 取引所が投資者の身元情報を提供しない場合
  • 会社や団体名義で取引所に入出金する場合
  • 取引所が役職員に送金を続ける場合

参考:chosun online

全面規制騒ぎが沈静化する機会になるか?

ガイドライン発表を受けて、かねて実施されてきた自己規制に参加する仮想通貨取引所の数はすでにほぼ倍増した。自己規制の努力は韓国ブロックチェーン協会が推奨してきた。同協会66人の会員の中にはUpbit、Bithumb、Korbit、Coinone、Coinplugなど大手仮想通貨取引所が含まれている。

ガイドライン実施は、仮想通貨取引の全面規制か(?)と騒がれてきた韓国で、今後規制問題が沈静化する機会の始まりになるのではないかと期待されている。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

参考:
Bitcoin.com-1
Bitcoin.com-2