仮想通貨市場は低迷も企業の合併買収の件数は倍増、ビジネスは急拡大

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仮想通貨市場は低迷も企業の合併買収の件数は倍増、関連ビジネスは急拡大

仮想通貨市場は2018年始の急落以降、依然として低迷期にあるといっていいだろう。しかしながら、業界自体は大きな動きを見せているようだ。

アメリカに拠点を置く投資銀行のJMPセキュリティーズ(JMPSecurities)は、同じくアメリカに拠点を置く調査会社のピッチブック(PitchBook)が明らかにしたデータによれば、仮想通貨業界にて企業のM&A(合併や買収)が盛んに行われていると結論づけた。

JMPセキュリティーズ社のM&A専門コンサルタントでもあり、仮想通貨、ブロックチェーン業界のスペシャリストでもあるSatya Bajpai氏がCNBCにて、データの概要やその理由について語った。

仮想通貨業界でM&Aが急増する背景

同データによれば、仮想通貨関連業のM&A(合併や買収)の件数が2017年と比較してほぼ倍近くに急増。すでに100以上の取引が行われており、2018年内には150近くの取引が行われる見通しだという。

PitchBookのデータ出典:PitchBook

Satya氏はCNBCが行ったインタビューに対し、M&Aが急増している理由について二つの観点から説明した。

一つは、仮想通貨関連企業の価値はICOという資金調達手段に代表されているように、仮想通貨の価値に紐づけられているという点だ。Satya氏は「仮に素晴らしい業績を持っている企業でもそれは変わらない」と話す。つまり、仮想通貨市場が低迷している現在であれば、優れた企業であっても、比較的手ごろに所有することができるようになる、というわけだ。

もう一つの理由は、現在の仮想通貨業界に参入するのであれば、企業を買収した方が様々な面で得だ、ということである。現在、ブロックチェーン技術者は世界中で不足気味だ。CNBCが10月21日に報じたところによれば、既存の技術者の待遇も跳ね上がっているという。こうした中でゼロから技術者を集め、あるいは教育していくことは至難の業といえるだろう。

加えてサービスをゼロから作り始めるのも至難の業だ。買収を行えばすでに市場を開拓し、ある程度の顧客を有している商品を手に入れることにもつながるため、こうした面でも利便性が高い。

買収される側である仮想通貨関連のスタートアップも買収されることによって、資金獲得、サービスを運用するに足りる顧客の獲得など有利な面があり、両者にとって有益だからこそ仮想通貨業界内にてM&A(合併や買収)が進んでいるとSatya氏は説明する。

今後も合併や買収など取引は増える見通し

その一方でSatya氏は依然として、仮想通貨業界は大きな課題を抱えていると語る。いまだに仮想通貨業界はいかに優れた企業であっても、試験段階にある。加えて初期の仮想通貨価格の高騰時にICOにて資金獲得を果たした企業をどのように正当に評価していくのか、といった様々な問題は依然として山積なのだ。

だが、Satya氏はこうした懸念材料や仮想通貨業界の低迷によって、取引規模自体が縮小する可能性は認めつつも、依然として仮想通貨業界ではM&Aを行うことが成長していくために必要な活動であると語り、今後も堅調に取引数は伸びていくだろうと予測した。

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参考:CCN

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