「仮想通貨はテロリストの資金源として最適でない」米シンクタンクが報告

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「仮想通貨はテロリストの資金源として最適でない」米シンクタンクが報告

仮想通貨の悪しき側面として長らく伝えられてきたのが、テロリストの資金源としての面だ。だが、米シンクタンク「民主主義防衛財団」(FDD)が作成したレポートによれば、どうやらまだ、仮想通貨はテロリストの資金源として最適ではないようだ。

現時点で、仮想通貨はテロリストにとって有益ではない

過去にCIAのアナリストを務め、現在はFDDの金融制裁・不法金融を扱う部門のディレクターであるヤヤ・ファナシー氏(Yaya Fanusie)が9月7日に行われた米国下院金融サービス委員会が開催したテロリズムと金融に関する聴聞会に登壇。テロリストと仮想通貨の関わりに焦点を当てた、自身の報告書について発言した。

同委員会のホームページで閲覧ができる報告書では、いくつかの仮想通貨を利用したテロリストの資金獲得の事例を挙げている。報告書によれば、現時点でテロリストたちの多くは、現金が有効な支払い手段である地域に居住しており、仮想通貨がテロリストの資金獲得手段として有益でないという。

加えて、調査結果から仮想通貨自体は全く不法なものではなく、恐れるべきではないものであることを指摘している。

仮想通貨を利用した事例

同報告書では2014年にアメリカのバージニア州で高校生が、ISISのために仮想通貨を資金源として贈る方法をブログ記事に投稿した事例や、2017年末にはアルカイダとつながりのあるグループ「アルサダーカ(Al Sadaqa)」がメッセンジャーアプリ「テレグラム(Telegram)」で、仮想通貨を利用したクラウドファンディングが行われた事例などテロリストによる資金調達の事例を複数取り上げている。

これらの事例では数百ドル程度の一握りの金銭を仮想通貨から得ることには成功しているものの、大規模な資金獲得にはつながっていないという。

その理由について報告書はテロリスト側が仮想通貨技術に習熟していないこと、仮想通貨自体が一般利用にはまだ適していないこと、アメリカ規制当局の資金の流れに対する監視理能力の高さによるものだと、結論付けている。

仮想通貨に適応を見せるテロリスト

その一方で同報告書は、テロリストたちがビットコイン(BTC)だけでなく、匿名性の高い仮想通貨モネロをはじめとした複数通貨でポートフォリオを作成。監視の目をすり抜ける動きを見せていると指摘した。

今後すぐにテロリストにとって仮想通貨が従来の資金調達方法に取って代わることはないが、仮想通貨が一般的に普及することでテロリストも使用する可能性もあるという。

またファナンシー氏は今後に向けて、仮想通貨業界や一般金融業界に限らず、テロの脅威に備えて結束を強めることが重要だと提言している。

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参考
Survey of Terrorist Groups and Their Means of Financing