「仮想通貨(ビットコイン)はコモディティ」と判決、この規制が及ぼす影響とは?

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「仮想通貨(ビットコイン)はコモディティ」との判決が及ぼす影響とは?

米連邦地裁は2018年3月6日、「ビットコインのような仮想通貨はコモディティ(商品)である」との初の判断を下した。この定義によると、米商品先物取引委員会(以下:CFTC)は、仮想通貨を商品の1つとして規制にかけることができるようになる。

コモディティ(商品)とは、商品先物取引所で取引されている商品のことである。つまり原油・ガスなどのエネルギー、金・銀・プラチナなど貴金属、小麦・大豆・とうもろこしなど穀物、銅・アルミなど非鉄金属など、実物資産を対象にした金融商品の1つということができる。

CFTCが仮想通貨を商品として監督する権限認める

今回の判決は、仮想通貨について「仮想通貨の一定の特性と価値に対して市場で取引される商品であり、商品という通常の定義の範囲に十分収まっている」と定義している。CFTCは2015年以来、仮想通貨は商品であり、連邦法の1つである商品取引法の範ちゅうで規制されるべきである」と主張してきた。CFTCは、商品および先物取引を管轄、監督する権限を持っている。

仮想通貨は、商品取引法で規制されることが司法によって初めて認められたことになる。CFTCは2017年7月、ビットコイン(BTC)の先物取引を認可して、事実上商品として扱ってきた。一方、米証券取引委員会(以下:SEC)は同年秋、ICOに対して有価証券として規制する措置を講じた。

SECとCFTCの両連邦政府機関は、2018年1月の上院公聴会で、急速に拡大する仮想通貨市場で投資家がさらされている脅威に言及して、「思慮深く、ハランスのとれた」規制の必要性を訴えていた。

仮想通貨は「商品」か「証券」か、その他「資産価値」かの結論待ち

米大手法律事務所「Ropes & Gray」の投資管理顧問であるエド・ベアー(Ed Baer)氏は、「(地方裁判所の)ワインスタイン判事の裁定は、ビットコイン(BTC)など仮想通貨が商品であり、CFT規制(テロ資金供与対策)対象になるとのCFTCの先の決定を確認するものだが、SECのジェイ・クレイトン委員長は、仮想通貨、特にICOを通じて発行されるコインは、SECの規制を受ける(有価)証券であると提言している」と、定義の違いからくる仮想通貨の“不確実性”に注目している。

このコメントは何を意味するのか?…米国では、仮想通貨を監督する単一の規制当局は存在しない。規制関係者は長年、仮想通貨が「商品」か「証券」かの議論を重ねてきた。今回の判例は、実は未解決の問題に対する答えの1つに過ぎないのかもしれない。なぜならば、米内国歳入庁は、仮想通貨を「財産(property)」とみなしており、前述の通りSECは「証券」とするなど、関係当局の主張の違いは鮮明だからだ。

仮想通貨取引所の関係者は、近く結論が出るだろう仮想通貨の本質の定義づけに注目している。SECは現時点で、仮想通貨市場を取り締まる権限はない。しかし、「違法に運営され、市場操作される可能性のあるプラットフォームが、厳しく取り締まりを受ける予告編」(ロイター)という見方が強まっている。

世界的に見ると、欧州司法裁(ECJ)は、ビットコインが支払い手段(マネー)であると定義し、加盟国に対して付加価値税(VAT)免除の対象にするとの判断を下した。

ちなみに日本では、2017年4月1日に施行された改正資金決済法によって、仮想通貨は「物品を購入し、もしくは借り受け、または役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値」と定義されている。

仮想通貨が持つこのような不確実性から、現状では暗号通貨取引所は野放し状態であり、何らかの操作や詐欺的行為から被害者を守ることができない状況である。各国が個別もしくはまとまとめて結論を出さなければならない時期が迫っている。

(フリージャーナリスト、大手マスコミOB記者:長瀬雄壱)

引用:Bitcoin.com