仮想通貨は米ドルにとっていずれ脅威の存在に?準備通貨としての地位を維持する為の課題とは

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仮想通貨は米ドルにとっていずれ脅威の存在に?準備通貨としての地位を維持する為の課題とは

アメリカのニューヨーク州に本社を置く、投資銀行LazardでCEOを務めるケネス・M・ジェイコブス氏は、外交政策および貿易に対するアメリカの一方的なアプローチが、「米ドルが世界の主要な準備通貨としての地位を維持する上での脅威となっている」と語った。このような地位は、1945年にイギリスのポンドを打倒して以来、ドルが維持してきたものだ。

国際貿易および取引を目的とし、世界各国の中央銀行はいくつかの通貨を組み合わせて準備通貨を保持している。1944年のブレトン・ウッズ協定に従ったこのような行動は、各国中央銀行が国民に対して借用書の形で独自の通貨を発行し、それを準備通貨によって再購入することを可能にしている。

米ドルに対するプレッシャーとは

成長を続ける世界経済の中で、多くの通貨が地位を向上させている。例えばユーロと円は、準備通貨としての受け入れが進んでおり、米ドルと競争している。さらに最近、中国が2015年に世界最大の債権国および輸出国として、人民元が国際通貨基金(IMF)によって準備通貨に採用されたことを発表した。

いかなる国の通貨も準備通貨としての資格を持ち得るという学術的な説明が、経済的な指標に基づいているとしても、国際政治のようなその他の要因も準備通貨の選定に対して重要な役割を果たす。

2017年、投資銀行Saxo Bank(サクソバンク)でFX戦略の責任者を務めるJohn Hardy氏が、米ドルの主流準備通貨としての地位に影響を与える要因として想定される、地政学的な課題を以下のように3つ提示した。

  1. 世界の貿易および金融市場においてさらに主要な役割を果たしたいと考える中国の台頭
  2. 核保有国として信頼性と不可触性を維持しようと躍起になっている北朝鮮が米中関係に与える影響、そして対外および国内政策という面における北朝鮮問題への日本の対処
  3. 弱まりつつあるヨーロッパとアメリカの同盟関係と、ドイツの選挙後にヨーロッパおよびEUが自身の立ち位置をより独立した超大国として捉えるかどうかの程度

仮想通貨と新しい技術は監視を続ける

先週、海外メディアBloomberg誌において、ジェイコブス氏は「今日世界に存在する技術の量は、仮想通貨とあわせて、今後米ドルが準備通貨としての地位を維持していく上での課題をさらに複雑化している」と述べた。

彼は加えて、「私たちが一方的な外交政策および貿易政策を取っている限り、それは世界に代替策を探すように促しているのと同じことだ。おそらく、アメリカが世界の準備通貨を握っているという事実が、ソフトパワーの最も強力な提示となっている。」と語った。

しかし、ジェイコブス氏は、これは直近の未来には当てはまらないかもしれないが、このような進展は、状況認識に基づく想像の範囲の中で、視野に入ってくるだろうと述べた。

しかし、「世界には十分な技術と仮想通貨があり、現在も進化を続けてている。将来何が代替となるか、もう少し考えを巡らせてみれば想像できるだろう。」と彼は語った。

このようなことが起きるかどうかは分からないが、世界の金融システムと国際的な権力の再定義において、破壊的な変革を意味するだろうことは確かだ。従って、新しい技術と仮想通貨に対してより多くの関心が集まる状況が差し迫っている。

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参考:CCN