現在の仮想通貨が担う5つの役割と可能性

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現在の仮想通貨が担う5つの役割と可能性

ビットコイン(BTC)の誕生以来、仮想通貨は長い道のりをたどってきました。そして現在、本来の目的である支払い手段以外にも、その用途はさまざまな領域にまで拡大を続けています。

その中から、フィンテックの分野においては革新的とされる、現在最も重要視されている仮想通貨の5つの役割について、解説します。

電子マネーとしての仮想通貨

1つ目は、いわゆる通貨そのものとしての役割です。登場したばかりのビットコインは、ブラック・マーケットやギャンブルも含め、一部の精通者だけがデジタル決済に使用する限定的な存在でした。

しかし、価格上昇による手数料の増加などが原因で、ユーザーが離れることもありました。その後、ハードフォークによって派生したビットコインキャッシュ(BCH)の出現により、BCHネットワークが、高速かつコストパフォーマンスに優れた決済手段として受け入れられているケースも多くあります。

さらに2017年代になると、ICOブームによって仮想通貨やトークンの発行が急激に増加しました。一時はさまざまな仮想通貨が入り乱れ、市場も盛り上がりを見せました。

しかし、実現不可能なプロジェクトも多く、発行されたトークンも流動性が著しく低いなどの要因から触れられなくなり、現在も残っているのは、ダッシュ(Dash)やライトコイン(LTC)のような、2015年以前から存在するものに限られています。

プログラム可能な通貨

スマートコントラクトは、実はビットコインに先行して生まれたシステムです。現在はイーサリアム(Ethereum)がその代表ですが、ビットコインを含めた他の仮想通貨も、潜在的にスマートコントラクトの機能性を有しています。

一例を挙げると、ルートストック(Rootstock:RSK)はビットコインチェーンにサイドチェーンとして加わる形として、ビットコイン上におけるスマートコントラクトの実現を可能としています。

また近年ビットコインが他のアルトコインに対する優位性を高めてきたため、これまでは「第二世代のブロックチェーン」とされてきたプロジェクトに関わってきた開発者たちも、ビットコインに新たな可能性を見出そうとしています。

例として、BCHネットワークにおいては、シンプル・レジャー・プロトコル(SLP)というトークン発行システムが開発されており、新たな用途が生まれる可能性を示しています。

担保としての通貨

貸付業務は現在「DeFi(分散型金融)」の、最も重要な用途の一つになっています。また同時に仮想通貨を活用した法定通貨の貸付も活発になってきました。

イーサリアムネットワーク上では、メイカー(Maker)やコンパウンド(Compound)、インスタダップ(InstaDApp)などによる貸付サービスが盛んに行われています。その際に担保金として、仮想通貨が活用されています。

ダルマ(Dharma)やディーワイディーエックス(dydx)といったその他のDeFiや、ソルト(Salt)、ユーホドラー(YouHodler)、ネキソ(Nexo)などの中央集権型金融では、ユーザーが仮想通貨の自己資産をロックアップすることで、法定通貨での融資を受けることができます。

また、レンディングアプリケーションに仮想通貨を預けておくことで、利息のように定期的な利益を受け取ることができるサービスもあります。

投票によるガバナンス

仮想通貨は今後の開発方針や資金の用途などを、ユーザーによる投票形式で決定する仕組みを持っています。これを仮想通貨のガバナンス(管理・統制)と呼んでいます。

2017年には、ビットコインのオンチェーンガバナンスで、ブロックサイズ問題を解決するために、セグウィット(Segwit)の実装ならびにブロックサイズの拡張案の採択であった「ニューヨーク合意(NYA)」もその一つです。

その後オンチェーンガバナンスの分野は、Dashの予算案投票システムの開発などから見るに、一層洗練されていきます。現在ゼロエックス(0x)やMaker、アラゴン(Aragon)などのプロジェクトでは、当初からオンチェーンガバナンス機能を備えており、重要な決定時にDAppsを用いての投票がされています。

しかし、現状ではオンチェーンガバナンスの活用は、仮想通貨の世界ではまだ限られており、これはユーザーたちの投票に関する無関心が要因だと言えます。

デジタルなコレクション

最後に紹介するのは、コレクションとしての役割です。NFT(Non-Fundgible Token)トークンには、代替不可という特徴があり、これによってユニークなデジタル資産を形成できます。これらはゲームのスキンやキャラクター、仮想空間における土地や資産などに用いられています。

こうしたデジタル資産は、個人の収集家たちの間で取引されることにより、コレクションとしての価値を生み出しています。NFTトークンで生まれる市場は完全な分散型システムではありませんが、クリプトキティーズ(Cryptokitties)やチーズ・ウィザード(Cheeze Wizards)のようなブロックチェーンゲームは急激な成長を見せています。NFTトークンの存在はeスポーツや仮想空間の中で、今後数年の間で重要な位置を占めるようになるでしょう。

仮想通貨という分野は未成熟であり、今後はさらに多くの役割が分岐して、それぞれに成長してゆくことでしょう。10年後には、現在私たちが心に思い描いているだけでしかないアイディアが、仮想通貨の機能として一般的になっているかもしれません。

参考
Five of the Most Important Use Cases for Cryptocurrency

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